福永先生のブログdeFXセミナー!第20回

前回のセミナーでは、スイスの国事情について勉強しました。
スイスフランのチャートでは、ある時点から急激に価格が下落していることがわかりました。
一体その原因はなんなのでしょうか?

今週は、スイスフランが下落した背景についてお話をしていきたいと思います。

いつ頃からスイスフランが下落したのか、もう一度チャートを見て確認してみましょう。

前回のセミナーのチャートで、あまりにも急激な下落に驚きました!
観光立国のスイスになにが起こったのでしょうか?

チャートからは、どうも8月8日から下落が始まっているようです。

この時期にいったいどんなことがあったのでしょう。
また、その他の通貨は円に対してどのような動きだったのでしょうか。
このチャートは、ドル/円スイスフラン/円を重ねて描いたものです。

このように、スイスフラン/円のチャートとドル/円のチャートを重ねて見るとわかりますが、08年初めからドルが下落する中、逆にスイスフランは堅調に推移していたのです。・・・A
このときの米ドル下落の原因は、雇用統計の悪化でした。
雇用統計の悪化を受け、ドルは年初から下落。同時にNYダウも急落したのでした。

しかし、スイスフランの動向はどうでしょう。
当初はドルと同様に下落する場面もありましたが、1月下旬頃からスイスフランはドルの動きとは異なり、円に対して逆行高となっており、08年8月まで堅調に推移していたのでした。・・・B

08年7月には、もう米国ではサブプライム問題が騒がれていましたね。
スイスフランは始めのうちは影響ないように見えますが・・・

そうですね。これを見ると、スイスフランはサブプライム問題に揺れるドルとは対照的に、堅調に推移していたことがわかります。
スイスフランは、前回ご紹介したように観光立国という国の成り立ちから、サブプライム問題とは無関係と思われていたようです。
また、その証拠にスイスフランが堅調に推移していた6月下旬頃まで、好景気を持続させるために、利上げを行うのではないかとマーケットでは考えられていたのです。
しかし、実際には利上げを行わなかった(行えなかった?)ことから、スイスフランの推移は変調をきたすことになりました。

利上げを行わなかったことで、世界の景気後退の波が、観光立国で金融とは無縁と思われていたスイスにも押し寄せたのか、と、信任が揺らぐことになってしまったのだと思われます。

そのため、①6月~8月初めまでの間、スイスフランの動きは、強弱が対立する緩やかな山なりの形(これをパターン分析ではソーサートップと言います)を形成しており、直近の安値を切った後、一気に下落する流れになってしまったと考えられるでしょう。
また、スイスフランは9月下旬から一旦反発に転じた後、再び下落して揉み合いとなっていますが、ここにいたるまでいったい何が起こっていたのでしょうか。
そうです。ご存知の方もいらっしゃるかも知れませんが、スイスの大手金融機関であるUBSが、スイス政府からの公的資金60億スイスフラン(約5300億円)を資本注入に使い、資本増強を図るとの報道が伝わったときでした。

しかし、実はこの報道が出る前から、スイスの金融機関のサブプライムローンなどに関連する不良資産の額、決算内容の発表が行われ、これらの不良資産をどのように処理するのかといったことが問題になっていたのです。
観光立国と考えられ、安全な金融機関というイメージがあるスイスの銀行までもが、米国の金融機関からサブプライム関連商品を購入して損失を被っていたということが明らかになって、一般の投資家はさぞ驚いたことでしょう。
このUBSが政府からの資本注入を受けるといった報道と同時期に、同じく金融大手のクレディ・スイスもカタールの政府系ファンドなどから資金提供を受け、増資を行うと発表しています。

一旦信任が揺らぐと、最後まで堅調だった通貨の下落は止まりません。
スイスフランも例外ではなく、大きく下落することになってしまったというわけです。
これが、今回のスイスフラン下落の背景です。

では、最後に皆さんに質問です。

それにしても、なぜプライベートバンキングなどで有名なスイスの大手金融機関であるUBSに政府が資本注入を行わなければならなかったのでしょうか?
スイスは、九州ほどの面積ですし、観光だけでも十分やっていけそうですが・・・・。

実は、スイスのGDPが5千億スイスフラン(約44兆円)であるのに対して、スイスの300行以上の銀行の総資産はその7倍に当たる3兆5千億スイスフランに達しており、大手銀行の倒産が国全体に大きなダメージを与えかねないところまで金融機関の資産が拡大していたということなのです。 (スイスに対する私なりのイメージは、「観光立国」だったのですが、最近では、スイスは金融立国に変化していたのですね。)

安定のイメージがあるスイスにまで大きな影響が・・・。
でも、普段の生活であまり情報を耳にすることがない国だと、イメージで判断しがちですが、実際は大きく異なる場合があるということですね。

そうですね。エリリンの言う通り、情報があまりない国に対しては、イメージ先行となりがちだと思います。
したがって、以上のことから、FX取引を行う際は、イメージ先行ではなく、その国の背景や経済状況などをしっかりチェックしておく必要があるということをお分かりいただけましたでしょうか。

さて、世界の金融機関がここまでつながっているとなると、そのほかの国の通貨の動きも気になりますね。
次回は、カナダドルについてお話したいと思います。次回もお楽しみに!!

まさに国際的金融危機と言われる状況となっていることが、はっきりわかってきました。カナダは米国の隣国ですが、一体どうなっているのでしょうか?!
福永先生、ありがとうございました!LEVEL UP!!
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