次期FRB議長-トランプ大統領による混乱
-前営業日サマリー-
ドル円は、146.31円でオープン。東京市場では、ドル安・円高が午前に先行したものの、午後は米長期金利の上昇に伴い、ドル高が進行。往って来いの相場展開となりました。ロンドン市場では、新規の材料に欠ける中、ポジション調整の動きに終始し、ドル円は146円台で振幅しました。NY市場では、146円台後半で上値の重さが意識されたのに加え、ウォラーFRB理事が7月利下げの可能性に再言及し、ドル円は下押し。146.22円で取引を終えました。
-次期FRB議長 トランプ大統領による混乱-
本日のイベントは、英GDP、加雇用統計が控えるものの、その他に注目度の高い経済指標は予定されていません。
トランプ大統領はFRBに対して早期の利下げを求めていますが、景気を刺激し、2026年に控える中間選挙に向けて、実績を示す狙いがあるのかもしれません。選挙を控えた政権がFRBに対して、水面下で圧力をかけた例は過去にいくつかあるものの、トランプ大統領による連日のパウエル氏への批判などは異例ともいえます。そんな中、足元では次期議長人事をめぐる思惑が広がっており、相場も関連するヘッドラインによって揺れ動くことが多くなりました。次期議長候補には「利下げをしたい人を選ぶ」とトランプ大統領は先月末に記者団に対して明言しています。仮に候補とする人物をトランプ大統領が決定した際には、将来の金融政策の先行きがその人物の発言によって変化し、相場に影響を与えるかもしれません。この点、ヘッドラインに情報が飛び出してきたときのインパクトは大きいとみておきたいです。