日米貿易交渉関連のヘッドラインに注意
-前営業日サマリー-
ドル円は143.00円でオープン。東京市場では、序盤にゴトー日の仲値に絡んだ実需の買いの影響もあり143.59円付近まで上昇、その後は日経平均株価の上げ幅縮小などを受けて142.90円付近まで下値を広げました。ロンドン市場では、中国が国内航空会社にボーイング機の受け取り停止を指示との報道が伝わると米中関係悪化への懸念から一時142.60円付近まで下押ししました。NY市場では、日米貿易交渉を控えて方向感がなく、概ね143円台前半での値動きとなり143.24円で取引を終えました。
-日米貿易交渉関連のヘッドラインに注意-
本日のイベントは、クックFRB理事発言、中GDP、英CPI、米小売売上高、米鉱工業生産、加政策金利、加マックレムBOC総裁会見、米パウエルFRB議長会見が予定されています。
昨日のドル円は概ね143.60円から142.60円のほぼ1円幅での往来となりました。途中、米国が中国製品に課した最大145%の関税への報復として中国が国内の航空会社に米ボーイング社の航空機の追加購入を一切受けないように指示したとの報道が伝わると、米中貿易戦争激化の懸念からドル売りが進む局面はありましたが、142.60円付近まで下押しするにとどまりました。市場の目線は、すでに今週の17日にワシントンで開始される日米貿易交渉に目線が移っていると考えられます。今回の協議で米国側が具体的にどのような要求をしてくるかはまだ不透明ですが、市場に一定感の安心感をもたらす合意がなされるかに注目したいです。
そして本日は、米小売売上高の発表が予定されています。予想1.4%(前回+0.2%)と堅調な結果予想となっていますが、今回はトランプ関税実行前の結果であり、市場がより確認したいのは次回結果となること、17日に前述の日米貿易交渉を控えていることから、予想を上振れる結果となった場合でもドルの買い圧力は限定的となることは考えられますが、確認はしておきたいです。また、パウエル議長の発言機会については、これまでの「追加利下げについては急ぐ必要はなく、政権の動向などがより明確になるまで待つことができる」旨の発言や前回FOMC後の会見での「利上げの可能性は低い」との発言と同様の姿勢を見せることで、下値の堅さを確認することとなりそうです。
日米貿易交渉を控えて本日もドル円は一定幅での値動きが想定されますが、ベッセント財務長官などの今回の米国側の交渉関係者から具体的な要求の内容などが伝わってきた場合には、一定の動意が生じる可能性も想定されることから、特に日米の貿易交渉関連のヘッドラインには注意しつつ、本日も取引に臨みたいです。