高まるスタグフレーション懸念
-前営業日サマリー-
ドル円は、146.03円でオープン。東京市場では、トランプ関税に関する思惑から上下動する相場展開。トランプ大統領が「素晴らしい提案」があれば関税を引き下げると発言したタイミングでは円売りが誘われるなど不安定な値動きとなりました。ロンドン市場では、中国が米国製品に対して追加関税をすると発表したことでリスク回避の動きが再度強まる格好となり、一時は145円台を割れる動きを見せました。ただ、NY市場に入るとパウエルFRB議長が利下げを急がない姿勢を示したことで、米長期金利が低下幅を縮小させ、ドル高へ、ドル円は146.93円で取引を終えました。
-高まるスタグフレーション懸念-
本日のイベントは、日景気先行指数と毎月勤労統計が控えており、その他注目度の高い経済指標は予定されていません。
為替相場ではしばらく、トランプ関税による物価上昇懸念と景気後退懸念というスタグフレーションへの警戒感をにらんで神経質な相場展開が続くことが予想されます。また、トランプ関税の影響をもとにFRBがどのような政策方針を立ててくるのかも一つの焦点です。先週末こそパウエルFRB議長はその発言で利下げを急がない姿勢を示したものの、今後続く米指標の結果で関税の影響度を確かめながら追加利下げに舵をきる可能性は十分に考えられます。トランプ政権とFRBの動向を追っていきながら相場の方向感をつかんでいきたいです。
今週は9日にFOMC議事要旨が公表され、10日には米消費者物価指数が予定されています。注目度の高いイベントなので内容を丁寧に確認していきたいです。