米雇用統計に注目
-前営業日サマリー-
ドル円は148.78円でオープン。東京市場では前日のドル安・円高の反動から一時149円を回復して上昇したものの、午後に入るとその動きが一服、一転して下押しとなりました。ロンドン市場では連合が25年春闘の賃上げ要求を平均6.09%と前年を上回る数字を発表したことで日銀による追加利上げ観測が高まり、円買い優勢の地合い。ドル円は147円台へ突入しました。ただ、NY市場に入ると買い戻しの動きが強まり147.94円まで上昇して取引を終えました。
-米雇用統計に注目-
本日のイベントは、欧ラガルドECB総裁発言、加雇用統計、米雇用統計、米ボウマンFRB理事発言、米NY連銀総裁発言、米クーグラーFRB理事発言、米パウエルFRB議長発言と複数のFRBメンバーによる発言と米雇用統計という重要イベントが予定されています。
米労働省が発表する2月の雇用統計の予想値は非農業部門雇用者数が16.0万人(前回:14.3万人)、失業率が4.0%(前回:4.0%)、平均時給[前年同月比]が4.1%(前回:4.1%)と失業率や平均時給は前回と変化がないものの、非農業部門雇用者数は前回から伸びが拡大する見込みとなっています。足元でFRBによる追加利下げ観測が強まっている中、労働市場が急速に悪化する兆候はこの数字からは見えません。ただ、先行指標の一つであるADP雇用統計は+7.7万人と1月から予想以上に伸びが減速し、昨年7月以来で最低の伸びとなりました。ISM製造業の雇用も47.6と基準とされる50を下回っており、これらの指標からは労働市場の減速が確認されます。仮に本日の米雇用統計の結果も先行して発表された労働指標のように弱い数字が目立つこととなれば利下げ可能性の高まりから、さらにドル円はダウンサイドへの動きを加速させると考えられます。春闘の結果で日銀の利上げ観測が高まり日米金利差の縮小が強まるなか、相場がどうのような動きを見せるのか、引き続き動向を追って行きたいです。