FXレポート

週末明け祝日の薄商いを狙った仕掛けに注意

-前営業日サマリー-
 ドル円は158.09円でオープン。東京市場では、本邦10年債利回りが14年ぶり高値を付けるもやや円売りの展開。仲値発表頃の157.93円を安値に東証引け時点では158.36円付近を推移しました。ロンドン市場では、17時30分にブルームバーグが複数の関係者を引用して報じた「日銀が物価見通しを上方修正の公算大」とのヘッドラインを受け大幅に円高へ。18時過ぎ頃には157.62円の安値を付けました。NY市場では、予想を大幅に上回る雇用統計を受けドル円は158.88円の日通し高値を記録。非農業部門雇用者数が25.6万人増加し(予想は16万人)、失業率が4.1%へ低下した(予想は4.2%)ことから、FRB利下げ期待の大幅な後退を背景に米債利回りとドル需要が急騰しました。一方、その後は"Good news is bad news"の想起が米株の急落を呼び込み、一転して円が買い戻される展開に。往って来いとなったドル円は日通し安値の157.22円を付けたのち再度反発に転じ、週末フローをこなしながら157.76円で取引を終えました。

-週末明け祝日の薄商いを狙った仕掛けに注意-
 本日注目度の高いイベントは予定されていません。
 本邦は休場となりますので、流動性が低下した中での仕掛けに要注意です。2024年の米労働市場は月平均18.6万人(12月のみ修正前)の雇用増という力強い内容で着地。これを受け米銀バンクオブアメリカは利下げ回数予想を従来の2回からゼロへと修正。FRB利下げサイクルの終焉を予想しています。米長期金利は一時昨年11月以来の高水準となる4.79%を記録。ミシガン大が金曜日に発表した消費者期待インフレも5~10年先が2008年以来最高水準(3.3%)を付けるなど、第2次トランプ政権によるインフレ再燃懸念は金融市場のみならず国民にも幅広く浸透しているようです。一方、日銀に関しては新たな関係者記事が展開されており、生鮮食品とエネルギーを除く消費者物価指数(コアコアCPI)の見通しが今月会合で上方修正されるとの憶測が台頭。こうした利上げ期待を背景にドル円は上値が重くなりつつあるものの、FRBのタカ派シフト(年内利下げ無し)で相殺される可能性に注意したいです。一部では「FRBの次の一手は利上げになるのでは」との懸念も浮上している模様。日米の金融政策における不確実性は未だ拭えないものの、ドル円は引き続き日米金利差を背景に上方向トレンドが底堅く、今後も根強いドル買い円売り需要に支えられる公算が大きいか。上も下も深追いはせず、突発的なヘッドラインに用心しながら、本日も取引に臨みたいです。

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