週末に雇用統計控え小動きか
-前営業日サマリー-
ドル円は158.01円でオープン。東京市場では、ドル円は157.90円から158.27円の狭いレンジを推移。火曜日に米長期金利が8か月ぶりの高水準(10年4.699%)を付けたことや、水曜日仲値(三菱UFJ)が158.09円とやや円高水準に設定されたことなど、材料混在のなか上では売られ下では買われる小幅もみ合いとなりました。ロンドン市場では、157.92円を安値にドル円はやや上昇基調。英30年債利回りが1998年以来の高値を更新するなど、米金利の上昇がグローバルに波及するなか、独歩安のポンドを含めユーロや円に対してもドルが強含む展開となりました。なお、「トランプ次期大統領、新たな関税導入を可能にするため、国家経済非常事態宣言を検討」などヘッドラインはあったものの、決定的なカタリストとはならず。NY市場では、ウォラーFRB理事の発言やADP雇用統計に加え新規失業保険申請件数や12月分FOMC議事録公表などこなしながらも大きな動意は観測されず。ドル円は158円台前半でのもみ合いに終始し、158.35円で取引を終えました。
-週末に雇用統計控え小動きか-
本日のイベントは、本邦勤労統計、豪貿易収支、豪小売売上高、中消費者物価指数、シュミッド連銀総裁発言、ボウマンFRB理事発言が予定されています。
NY市場は、カーター元米大統領の国葬のため株式市場が休場となります。東京時間には、中村日銀審議委員が利上げ判断に用いるデータとして言及した勤労統計が発表されます。植田日銀総裁も「(賃金動向については)もう少し情報が欲しい」としていることから、特に現金給与総額の伸び率や実質賃金動向に注目か。一方、今年のFRB利下げを巡り「年内いっぱい据え置き」の可能性が15%ほど織り込まれている(FedWatch)ことなど背景に、米金利動向には特段の注意を払いたいです。直近でも、ウォラーFRB理事がインフレ・プレミアム、イエレン財務長官がターム・プレミアムに言及(どちらも名目金利の構成要素)。米国の長短金利はFRBの利下げ以降むしろ上昇に転じているため、市場がFRBのポリシーエラーを織り込み始めている可能性にも要警戒かと思われます。また、足元で強含みがちな米経済データにも注目。水曜日発表の新規失業保険申請件数が11か月ぶり低水準を記録するなか、明日には雇用統計を控えます。労働市場・消費者センチメント・株式市場・為替市場の全てで米国の独り勝ちとなるシナリオを念頭に置きながら、本日の取引に臨みたいです。