米小売売上高、予想が割れているFOMCに影響を与えるか
-前営業日サマリー-
ドル円は、140.72円でオープン。東京市場では、先週末に引き続きドル円は売りが継続。米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ観測が再燃する中、米長期金利の低下を受け、軟調な動きが続きました。他主要通貨のクロス円もドル円に引きずられ軟調に推移しました。ロンドン市場では、一時は昨年7月以来の安値となる139.58円をつけたものの、ドル円は売りが一服すると、米10年債利回りの上昇を受けて140円台を回復しました。また、9月の米ニューヨーク連銀製造業景気指数が予想を大幅に上回ったこともドルを支えました。NY市場では判断材料が乏しく狭いレンジ幅での展開となり、ドル円は最終的に140.59円で取引を終えました。
-米小売売上高、予想が割れているFOMCに影響を与えるか-
本日のイベントは独ZEW景況感調査、米小売売上高が予定されており、中国が祝日休場となります。
今週水曜深夜に控えるFOMCでの政策金利決定会合では、利下げ幅が25bpsと50bpsで市場の予想が割れており、本日発表の小売売上高の結果がその判断に影響する可能性があります。
小売売上高前年比の過去半年間のデータを見ると、全体的に安定して成長しており、特に3月は4.02%という高い成長率が目立ちます。これに対して、4月以降はやや減速傾向が見られるものの、全体として2%以上の成長が続いています。7月のコア小売売上高は前月比で0.4%の増加を見せ、予想の0.1%を大きく上回りました。これは6月の0.4%と並ぶ堅調な伸びであり、消費者の購買意欲が強いことを示しています。一方で、6月以前には、5月が-0.1%、4月が0.2%とやや弱めの結果が見られており、コア小売の動向には変動があるものの、ここ数ヶ月の成長は底堅いといえます。
現在、FRBはインフレを抑制しつつも、景気後退を避けるという難しい舵取りをしています。小売売上高は消費者支出を反映する主要指標であり、米経済の約70%を占める消費活動がどのように推移しているかを示す重要なデータです。もし8月の小売売上高が予想通り、あるいは予想を上回る結果を示せば、消費者支出の堅調さが確認され、FRBは緩やかな利下げで経済を調整する方向を支持する可能性があります。逆に、予想を下回る結果が出た場合、FRBが50bpsの大幅な利下げを選択し、景気の下支えに重点を置く可能性が高まります。市場の一部では、消費の減速が既に進んでいるとの懸念があり、そうした懸念を裏付けるデータが出れば、より積極的な金融緩和策が必要とされるかもしれません。このような点に注意しつつ本日も取引に臨みたいです。