ECB政策金利 ラガルド総裁の記者会見に注目
-前営業日サマリー-
ドル円は158.32円でオープン。東京市場では、「米国が対中半導体規制でさらなる厳しいルールを検討していることを同盟国に警告」といった報道や河野デジタル相の「利上げするよう日銀に求めた」との発言から156.7円付近まで下落しました。ロンドン市場では、下落の流れを引き継いで156.10円付近まで下押しした後は156.80円付近まで戻す場面はありましたが、河野デジタル相の発言などが重しとなり、上値が重たく推移しました。NY市場では、序盤にウォラーFRB理事の「利下げが正当化される時期に近づいている」などの発言が伝わると156.31円まで下押ししましたが、その後は東京夕刻に付けた日通し安の156.10円付近がサポートとなり、終始156円台で往来して156.29円で取引を終えました。
- ECB政策金利 ラガルド総裁の記者会見に注目-
本日のイベントは、豪雇用統計、英雇用統計、欧ECB政策金利、米新規失業保険申請件数、米フィラデルフィア連銀景況指数、欧ラガルドECB総裁会見、米景気先行指数、南アSARB政策金利が予定されています。
昨日の英CPIは、CPI(前年比)が+2.0%と前回と同水準の結果となりBOEが目標とする+2%を維持しましたが、中期的なインフレ指標として注目しているCPIサービス価格が前回と同じ+5.7%と高止まりとなったことなどで、市場の8月利下げ期待は後退してポンドは買われ、ポンドは対ドルで上昇しました。そして、本日の英雇用統計ではILO失業率(3か月)は4.4%と前回と同水準と予想されていますが、結果が労働市場の冷え込みを強く示唆することになった場合には、利下げ期待がより高まる可能性には留意しておきたいです。
また、本日は欧ECB政策金利及びラガルド総裁の記者会見も予定されています。今月に入ってECB関係者から「7月利下げの可能性は消えた」「7月に利下げする理由は見当たらない」などの発言が伝わってきており、市場では次回9月会合での利下げがメインシナリオとなっています。注目したいのは、理事会後のラガルド総裁の記者会見で、次回9月会合での利下げを補強する発言もしくはより慎重と受け取られる発言により9月利下げ期待度が変動してユーロの動意となることも想定しつつ、本日も取引に臨みたいです。