日銀の為替介入に注目
-前営業日サマリー-
ドル円は、158.85円でオープン。東京市場では、8時台に円が急騰。ドル円は1.5円強下げたものの、9時台に円が急落し、押し戻される形となりました。ロンドン市場ではドル円は軟調に推移。米PPIが予想を上回り、ドルが買われる展開となりましたが、その後に円が東京時間に引き続き再急騰。ドル円は158.80円付近から157.35円付近まで下落しましたが、1円ほど反発。続くNY時間でミシガン大学消費者信頼感指数が予想を下回り多少ドルが売られた直後に円が再急騰。多少の反発はあったものの、上値が重く157.9円で取引を終えました。
-日銀の為替介入に注目-
本日は米パウエルFRB議長の発言、中第2四半期GDP、NY連銀製造業景気指数が予定されています。
今週は米重要指標やECB政策金利もさることながら、日銀の為替介入に注目したいです。
7月11日、米CPIで予想を下回る結果が発表されドル円が85銭程度下落した直後、更に3.5円程度急落しました。また、7月12日は東京時間、ロンドン時間、NY時間それぞれに短時間で円が急騰した場面がありました。為替介入を指揮されている日銀・神田財務官は7月末で任期を終えるからか「介入に関してはコメントできる立場ではない」などと発言されておりますが、一部報道では日銀当座預金残高の見通しを元に、日銀が3.5兆円規模の為替介入を実施したと推定されています。
前回介入は4月29日、5月2日の2日間に9.8兆円規模で実施されたものと見られています。4月29日は日本の祝日、5月2日はGW直前にあたるため、円に対するボラティリティが低下している局面が狙われた可能性があり、先週では円急騰が見られたのは米CPI発表直後、米PPI発表直後であるため、米大型指標直後も注意が必要かもしれません。これらを鑑みると、日本の祝日である本日、7月16日の米小売売上高直後などは一層注意して取引に臨むべきかもしれません。米利下げ観測が年内3回に増加し、日米金利差縮小が見込まれる中、日銀の為替介入のオペレーションに市場の注目が集まります。