ドル円160円超えも想定 急上昇には要注意
-前営業日サマリー-
ドル円は、158.87円でオープン。東京市場では、序盤の神田財務官の「過度な変動があれば適切に対応する方針は変わらない」などの発言で下押しするも下値は限定的でした。仲値にかけて買いが優勢となり159.12円まで上昇するも、買い一巡後は朝方に付けた158.81円付近まで下げる場面もありました。終盤には軟調なユーロ円に連れて158.67円と日通し安値を更新しました。ロンドン市場では、ドルが対欧州通貨で強含んだことも支えにドル買い円売りが優勢になり159.0円付近までじり高での推移となりました。NY市場では、米PMIが予想を上振れたことを受けて159.62円まで上昇、159.40円付近まで戻されるも、再度159.50円を突破した後は概ね159.5円台で推移して159.77円で取引を終えました。
-ドル円160.0円超えも想定 急上昇には要注意-
本日のイベントはNZ貿易収支、シンガポールCPI、独IFO企業景況指数が予定されています。
米財務省は先週の20日に公表した外国為替報告書で、為替操作をしていないか注視する「監視リスト」に日本を加えました。当該リストに日本が加えられたことについて、日本の対米貿易黒字と経常黒字が理由に挙げられており、4・5月両月の為替介入は要因にはなっていないこと、その後に神田財務官から「過度な変動があれば適切に対応する方針は変わらない」等の発言も伝わってきており、本邦当局が実弾介入する難易度はこれまでと変わらないという見立てがある一方で、実弾介入後の5月にイエレン財務長官から「介入はまれであるべきで、実施には事前の伝達が適切だ」「介入は決して日常的な手段に用いられる手段ではない」などの介入には後ろ向きととれる発言があったことからも、実弾介入の難易度がこれまでより上がったとの見立てもあります。
先週末の米PMIが予想と前回値を上振れたことでドル円は上値を追い、159.80円付近まで上昇しました。今週は介入警戒感から上値が重くなりながらも、介入を警戒しつつ上値を試しながら160円を超えてくることは充分に考えられます。神田財務官が過去に言及した「2週間で4%はなだらかなものとは到底言えない」という発言も考慮しつつ、リスク管理の観点からも実弾介入の可能性は念頭に置きながら今週も取引に臨みたいです。