米小売売上高に注目 欧州政局関連のヘッドラインには注意
-前営業日サマリー-
ドル円は、157.31円でオープン。東京市場では、序盤157.65円付近までドル買いが進むも、日経平均株価が700円超まで下げ幅を拡大すると、157.30円付近まで下押しした後は、157.40円を挟んでの上下動となりました。ロンドン市場では、序盤から円売りの地合いが続き、NY連銀製造業景気指数が予想を上振れると一時157.94円まで上値を伸ばしました。NY市場では、序盤に米長期金利上昇に伴う円売りドル買いが優勢になると、一時157.96円の日通し高値を付けましたが、その後は米長期金利の上昇幅縮小も重しとなり157.70円付近での推移して、157.68円で取引を終えました。
-米小売売上高に注目 欧州政局関連のヘッドラインには注意-
本日のイベントは、豪RBA政策金利発表、豪ブロックRBA総裁会見、独ZEW景況調査、米小売売上高、米鉱工業生産、クックFRB理事発言、バーキン:リッチモンド連銀総裁発言、クーグラーFRB理事発言が予定されています。
先週のドル円は、米CPIの結果が予想を下振れたことでドルが急落するも、直後のFOMCではCPIの結果を受けてのハト派予想に反してタカ派の内容となりドルが急速に買い戻される結果となりました。経済見通し(SEP)では「年内3回利下げ」から「年内1回利下げ」に、2025年のインフレ見通しも上方修正された一方で、市場の年内利下げ見通しは依然として2回がメインシナリオとなっており、市場とFRBの見通しが分かれている状況となっています。
そして、本日は米国の個人消費の動向を示す米小売売上高に注目したいです。予想値は前月比で+0.3%(前回:0.0%)、変動の激しい自動車を除いたコアは+0.2%(前月:+0.2%)となっており、前月比でやや改善する見通しとなっています。FOMC後、PPIは予想を下振れるも、昨日のNY連銀製造業景気指数は予想より強い結果になるなど、片側への強い方向性は見えておらず、FOMC後の会見でパウエルFRB議長が、政策や金利変更のタイミングはデータに依存する旨の発言をしていることから、今回の小売売上高の結果が予想を上振れ、あるいは下振れる結果となった場合のどちらにも一定の動意が生じるかもしれません。また、ブラックアウト明けのFOMCメンバーの発言も複数予定されている他、欧州の政局不安絡みのヘッドラインによるユーロ売りドル買いにも注意を払いつつ、本日も取引に臨みたいです。