米ベージュブックに注目
-前営業日サマリー-
ドル円は156.84円でオープン。東京市場では、序盤から円高方向に推移しましたが、昼過ぎからは徐々に押し戻される展開となりました。ロンドン市場でも、序盤から上昇の流れが継続して一時156.99円まで上押ししましたが、157.00円手前で押し戻された後は、156.70円付近まで下押ししました。NY市場では、米消費者信頼感が予想を上振れたことで156.95円付近まで上昇後、157.00円を手前に上値が重たくなるも、米2年債・5年債入札の不調な結果を受けて157円を上抜けて、157.17円で取引を終えました。
-米ベージュブックに注目-
本日のイベントは、豪消費者物価指数、独消費者物価指数、米7年債入札、米ウィリアムズNY連銀総裁発言、米ベージュブックが予定されています。
今週のドル円は、ここまで156.60円台から157.10円台の値幅での往来となり、大きな方向性に欠ける動きとなっています。これは、米国で今週月曜日が祝日(メモリアル・デー)だったこともありますが、先週の米指標において米PMIが製造業・サービス業共に上昇を示した一方で、ミシガン大消費者信頼感指数(確報値)1年期待インフレ率が速報値の+3.5%から+3.3%に下方修正されるなど、片側への大きな方向性が示されなかったため、今週末の米PCEデフレータの結果で今後の方向性を探ろうとする市場関係者の思惑も反映しているためと考えられます。
そして、本日は米ベージュブック(米地区連銀経済報告)の公表が予定されています。ベージュブックは、連邦公開市場委員会(FOMC)の2週間前の水曜日に公表される米国12地区の連邦準備銀行が各地域の経済状況をまとめた報告書であり、FOMCにおいて米連邦準備制度理事会(FRB)が金融政策の決定の際に参考にするものになります。前回4月のベージュブックでは米経済の「わずかな拡大」、個人消費の「かろうじて増加」、物価の「緩やかな上昇」と足元の堅調な米経済を反映する内容が示されました。仮に今回のベージュブックにおいて、前回の内容よりも強めのインフレ再加速を示唆する材料が出てきた場合には、週末のPCEデフレータに先んじて市場がドル買いで反応する可能性も考えられることから、今回のベージュブックの内容も丁寧に確認しつつ、本日も取引に臨みたいです。