カナダのインフレ率が安定傾向:政策金利への影響は?
-前営業日サマリー-
ドル円は155.62円でオープン。東京市場では、日経平均株価上昇や五十日の影響により、中値にかけて円が売られましたが、日長期金利が11年ぶりの高水準を記録すると円が買い戻され一時155.50円台まで下落しました。ロンドン市場では、米長期金利上昇に伴いドル全般に買いが入り、ドル円では156.20円付近まで上昇。その後は狭いレンジ幅で推移
しました。NY時間ではFOMCメンバーの発言が相次ぎました。ジェファーソン米連邦準備理事会(FRB)副議長をはじめ、ややタカ派的な発言を受け長期金利上昇に伴いドルが上昇。最終的にドル円は156.25円で取引を終えました。
-カナダのインフレ率が安定傾向:政策金利への影響は?-
本日のイベントは豪RBA議事録公表、加消費者物価指数、英ベイリー中銀総裁や欧ラガルドECB総裁、FRBメンバー多数の発言が予定されています。
カナダの消費者物価指数(CPI)前年同月比では、2022年に8%超が記録されたのをピークに落ち着きを取り戻しており、直近数か月間では3%前後で推移しています。今回市場は2.7%と予想しており、これは2022年の利上げ開始後最低の水準であり、カナダ中銀が掲げる目標インフレ率2.0%に徐々に近づいていると見ることができます。しかし政策金利に目を向けると2022年1月の0.25%から上昇が始まり、2023年7月には5%に達し現在に至るまで5%が維持されています。FRBより先に利下げに踏み切ることでドル高・加ドル安が進みインフレが再燃することを懸念しているとも捉えられますが、すでにスイスやメキシコなどは利下げに着手しており、世界的にも利下げムードが進行しはじめている現状において、今回のCPIが予想通りの低水準となるか、または下回る結果が出た場合、今後のカナダの政策金利にも影響が及ぶ可能性は大いに考えられます。また、本日は欧米の多数の要人が発言を予定しているので今後の金利動向にも目を向けつつ取引に臨みたいです。