ドル円の急伸には引き続き要注意
-前営業日サマリー-
ドル円は155.34円でオープン、東京市場では、日銀の国債買入れオペ額が据え置かれたことが伝わると、前回の減額に続いての連続減額となるか注目されていたことから、一時155.93円付近まで上値を伸ばしました。ロンドン市場では、特段目立つ材料などもなく、155円台後半での往来となりました。NY市場では、米景気先行指数が予想を下振れたことでドル売りとなり、一時155.23円を付けて日通し安値を更新しましたが、その後は戻して155.71円で取引を終えました。
-ドル円の急伸には引き続き要注意-
本日のイベントは、独生産者物価指数が予定されており、スイス・カナダ・ノルウェーは休場となります。
先週は、アメリカにおいてCPI・PPI・小売売上高などの重要指標の発表が続き、CPI・小売売上高は弱めな結果、PPIは強めの結果と強弱入り混じる結果となりました。また、それらの指標の前に発表されたミシガン大1年期待インフレ率やNY連銀1年期待インフレ率はそれぞれ前回結果を上振れていることから、根強いインフレ期待が残っていると見られ、早期利下げは難しい環境が継続していると考えられます。市場のメインシナリオも年内2回利下げの9月利下げ開始となっています。
今週の米関係のイベントとしては、週央以降にFOMC議事要旨やPMI速報値、新築住宅販売件数などが予定されていますが、先週と比して米金利の見通しに大きく影響を与える材料には乏しい週となります。ドル円は、先週はほぼ154円台から156円台の高値圏での推移となりましたが、イエレン財務長官からの数度の介入牽制ともとれる発言があったことからも、日銀による実弾介入のハードルはかなり高くなっていると考えられます。しかし、金利見通しに大きく変化を及ぼす材料が乏しいにも関わらず、ドル円が再度160円を目指して急伸する様な不可解とも受けとめられる動きとなった場合には、ファンダメンタルズに即していないとして本邦当局による実弾介入の口実となり得るという可能性にも考慮しつつ、今週も取引に臨みたいです。