FXレポート

ドル円は156円台、米インフレ指標とパウエルFRB議長発言に注目

-前営業日サマリ-
 週明けのドル円は155.66円でオープン。東京市場では、朝方に前営業日高値を抜け156円目前に迫るも、定例の日銀国債買入オペにて、長期国債の買い入れ減額が発表されると直後155円ミドルまで急落しました。ただ早々に反発すると、155円台後半でもみ合いました。ロンドン市場では、翌日以降の米イベントを見極めたい思惑もある中で、ドル円は神経質ながらも下値はしっかりとレンジに終始にしました。NY市場では、序盤にNY連銀の最新調査において1年後のインフレ期待が上昇したことで、米長期金利の下げ幅縮小と共にドルは買戻し優勢、ドル円は156円台を回復しました。その後は156.24円まで高値を更新、特段イベントもなく動意は限定的ながら、底堅さを保って156.20円で取引を終えました。

-ドル円は156円台、米インフレ指標とパウエルFRB議長発言に注目-
 本日のイベントは、日国内企業物価指数、英雇用統計、独ZEW景況感調査、米生産者物価指数(PPI)、クックFRB理事発言、パウエルFRB議長発言が予定されています。
 昨日日銀は、国債買入オペで長期国債(残存期間:5年超10年以下)の買い入れ額を前回から500億円減額、今年3月のYCC撤廃後初となる買い入れ減額を発表しました。これを受けて本邦10年債利回りは一時0.940%と、およそ6カ月ぶりの高水準を付けており、今後も追加の円高材料に気を配り、足元で円売りの流れ中で巻き戻しに転じた場合のインパクトにも警戒感を持っておきたいです。
 一方で、マーケットは引き続きドル高、ドル円は156円に乗せています。背景には米インフレ期待の高まりがあり、先週末の5月ミシガン大消費者信頼感指数・1年先の期待インフレ率は3.5%と前月3.2%から上昇したほか、昨日発表のNY連銀調査による1年後のインフレ期待も3.3%と前回3.0%から上昇しました。米インフレ指標は強めの内容が目立っており、本日の米PPIや明日CPIもこの流れに沿って、想定より強い内容でドル買いのシナリオは想定しておくべきでしょう。また、PPI後にはパウエルFRB議長の発言も予定されています。直近のインフレデータを背景にスタンスの変化やタカ派な内容が飛び出す可能性も否定できず、このタイミングでのFRBトップの貴重な発言機会に注目・期待しつつ、取引に臨みたいです。

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