ドル円は高値圏 日銀関連ヘッドラインに警戒
-前営業日サマリー-
ドル円は154.32円でオープン。東京市場では、神田財務官のG7共同声明に関する発言などが伝わると一時154円を割り込むも、すぐに押し戻されて154円台前半での推移となりました。ロンドン市場では、フィラデルフィア連銀製造業景気指数が予想を大きく上振れしたことが伝わると一時154.50円付近まで上昇しました。NY市場では、序盤の米景気先行指数等が予想を下回りましたが下押しは限定的、その後は上昇して154.60円を挟んでのレンジでの動きとなり154.61円で取引を終えました。
-ドル円は高値圏 日銀関連ヘッドラインに警戒-
本日のイベントは、本邦全国消費者物価指数、英小売売上高が予定されています。
足元のドル円は、現地時間17日に米ワシントンで開催された日米韓の財務大臣会合での共同声明に関する発言が伝わると154.20円付近まで下げることとなりました。そして日本時間の昨日午前中に神田財務官から「為替を含む過去のコミットメントをG7共同声明で再確認」といった発言が伝わると、一時154.00円を割り込みましたが、NY時間に入ると154.60円を上抜けて、今週前半の高値圏でのレンジに戻っています。
週央から、日米韓の財務大臣会合・G7(財務大臣・中央銀行総裁会議)・G20(同会議)関連の声明や発言が続いています。これは、IMF(国際通貨基金)・世界銀行で年2回開催される総会(4月は春季会合)に参加する為に各国の金融当局者や中央銀行幹部がワシントンに集まっており、併せてG20などの会議や会合が開催されるために、声明や関係者の発言が出やすいタイミングとなっているからです。
ここまでの声明などから、米国は日本が介入を必要と判断することには一定程度の理解は示したとも受けとめられており、日本独自の判断で介入に動きやすくなったと考えられる一方で、欧州などはドル高に特段の懸念を示しておらず、G20では「為替は議題になかったので発言しなかった」との鈴木財務大臣の発言が伝わってきており、ドル高に対する温度感の違いをあらためて確認することになりました。現況で仮に日本が単独介入しても、米国ではインフレ再燃も懸念されており、現在のトレンドが大きく変わることは見込めないと考えられます。
とはいえ、2022年秋の日銀実弾介入の2回目は金曜日深夜、3回目は週明け月曜日の東京時間序盤だったことから、週末週初のタイミングでの介入可能性を頭の片隅に置きつつ、本日もヘッドラインには警戒しながら取引に挑みたいです。