FXレポート

異次元緩和の撤退 本邦経済イベントに注視

-先週サマリー-
 ドル円は151.23円でオープン。東京市場では、日銀が10月にも追加利上げを行うとの一部報道や鈴木財務相が為替相場に対して「高い緊張感を持ってい注視する」と発言したことを材料に円高地合いとなり、ドル円は150円前半まで下押し。ただ、午後にかけては買い戻しの動きが優勢となり、再び151円台を回復しています。ロンドン市場では、スイス中銀が想定外の利下げをしたことでドル買いや円買いなどに調整が入り振幅し、ドル円は151円中盤から150円後半で上下しました。NY市場では、米中古住宅販売件数や米景気先行指標が予想を上回ったことで米長期金利の上昇とともにドル買い優勢。ドル円は当日高値を更新して、151.59円で取引を終えました。

-異次元緩和の撤退 本邦経済イベントに注視-
 本日の材料は、日全国消費者物価指数、英小売売上高、独IFO景況指数、加小売売上高、米バーFRB副議長発言、米アトランタ連銀総裁発言が予定されています。
 日米の中銀会合を波乱なく通過したことで21日の東京株式市場では日経平均株価が続伸。引けは前営業日と比較して812円高の4万0815円。今月4日に付けた史上最高値(4万0109円)を上回る水準となりました。足元の円安・ドル高トレンドによって輸出関連や海外事業比率の高い銘柄が好調に推移したことが背景にありそうです。植田日銀総裁の「当面、緩和的な金融環境が継続すると考えている」といった発言、FRBによる利下げが緩やかなペースで進みそうな点、そして、バブル期とは異なる業績の伴った上昇。これらを踏まえると日本株は当面好調な推移を見せてくれるかもしれません。ただ、最高値圏による警戒感や政府・日銀による為替介入など懸念材料もあるためその点注意は必要となりそうです。リスクオン・オフの関係から株式市場の動向は為替相場にも密接に関係します。為替の方向性を探るうえでも合わせて動向を注視していきたいです。
 本日は本邦にて全国消費者物価指数の結果が公表されます。日銀が異次元緩和から撤退したことで、これまで以上に円相場がファンダメンタルズの影響を受ける可能性があるため、今回のCPIには今後の利上げ見通しを探るうえでも注目しておきたいです。予想は前年同月比で2.9%(前回:2.2%)と前回値を上回る予想。仮に想定通り上振れとなれば日銀の利上げ可能性を高めて円高方向に動きを強めるかもしれません。

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