日銀関係のヘッドラインに注意
-前営業日サマリー-
ドル円は148.00円でオープン。東京市場では、前営業日の円高の流れを受けて147.51円まで下押ししましたが、仲値に向けて反発して一時148.10円付近まで上昇しました。ロンドン市場では、日銀の3月金融政策決定会合でのマイナス金利解除観測や日銀の国債買い入れ規模を示す新たな量的金融政策の枠組みを検討との一部報道から円が買われ146.85円まで下落しました。NY市場では、米雇用統計で失業率が2年ぶりの高水準まで上昇するなど労働市場の堅調さと共に減速感を示唆したことから、一時146.48円まで下落しました。その後は147.25円付近まで買い戻されて147.09円で取引を終えました。
-日銀関係のヘッドラインに注意-
本日は、本邦四半期GDP改定値、ノルウェーCPI、トルコ失業率が予定されています。
先週のドル円は、週央の日銀観測報道で3月の日銀金融政策決定会合でのマイナス金利解除可能性が意識されて円買いが強まると、中川日銀審議委員の金融正常化に前向きな発言などを受けて円買いが進み、週末の「日銀が国債買い入れ規模を示す新たな枠組みを検討」との一部報道や米雇用統計で米労働市場の減速感が示唆されたことから一時146円台半ばまで下落しました。
今週の注目イベントは12日の米消費者物価指数(CPI)・英失業率、13日の英GDP、14日の米棚卸物価指数(PPI)・小売売上高、15日の米ミシガン大消費者態度指数速報値などが予定されています。また、本邦では13日の春闘集中回答及び15日の第一回回答集計結果の公表に注目です。先週末の雇用統計の結果を受けても、米利下げについて3・5月は据え置き、6月利下げ開始の市場のメインシナリオは変わらず、先週のパウエルFRB議長の議会証言後の発言を受けて6月利下げ観測が高まったこともあり、今週の市場の視点は日銀に移っていると考えられます。今年の賃金上昇加速が見込まれることから日銀では3月のマイナス金利解除に傾く政策委員が増えているという報道も出てきています。今年の春闘のおける加盟労組の賃上げ要求は30年ぶりに5%を上回る平均5.85%であり、集中回答及び第一回回答集計結果で力強い内容が示されれば、3月日銀会合でのマイナス金利解除の市場の思惑から円買いの動意になることが想定されます。
春闘関連のニュースと併せて、今週は週を通して特に日銀関連のヘッドラインには注意を払いながら取引に臨みたいです。