日銀ウィークに注目
-前営業日サマリー-
ドル円は141.84円でオープン。東京市場では、ゴトー日で仲値にかけては力強く一時142.46円まで上昇するも、その後はドル売り・円買いの流れ、141円台まで戻され往って来いの展開となりました。ロンドン市場では、再び142円台に乗せる局面はあるも、来週に日銀会合を控える中で根強い円高圧力に押され、141円後半から中盤で上値重たく推移しました。一方、欧州圏のPMI(速報値)が発表され、軒並み市場予想を下回る結果となったことでユーロ売りが加速しました。NY市場では、序盤にウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁から「利下げについて今議論しているわけではない、3月利下げについて考えるのは尚早」など、利下げ期待をけん制する発言が伝わるとドル買い急加速、ドル円は一気に当日高値圏まで急騰しました。その後は戻り売りに押され141.41円まで日通し安値更新したのちに反発、ボスティック米アトランタ連銀総裁からもタカ派な発言が伝わる中で底堅さを維持し、142.21円で取引を終えました。
-日銀ウィークに注目-
本日のイベントは、独IFO企業景況感指数が予定されており、日銀金融政策決定会合・1日目で翌19日に政策発表を迎えます。
日銀関連のここまでの動きをみると、今月7日、植田日銀総裁が参院財政金融委員会において「年末から来年にかけて一段とチャレンジングな状況になる」と発言したことで、早期のマイナス金利解除が意識され急激な円高に振れました。ただ、翌週には「今月会合でのマイナス金利解除、急ぐ必要ない認識」との日銀関係筋の一部報道から巻き戻しへ、円主導によるドル円・クロス円のボラティリティ拡大をみれば、今回の日銀会合はこれまで以上の高い注目度であるといえます。
焦点のマイナス金利を巡っては、今会合での解除や現状維持でも次会合以降の解除アナウンスなどのタカ派予想も挙がっているほか、過去には発表前に観測報道が伝わるケースもみられており、直前までヘッドラインに警戒しておきたいです。一方で、政策修正期待の織り込みがある以上、目立った変更がなければ大きく円売りに傾くシナリオも考慮しておくべきでしょう。目先ドル円の方向感を大きく左右する12月日銀会合をメインに、今週のトレード戦略を練っていきたいです。