日銀による早期の政策修正観測が後退、本日は米CPIに注目
-前営業日サマリー-
ドル円は144.89円でオープン。東京市場では、週内のビックイベントを前に先週来の急速な円買いへの警戒感や、日経平均の大幅高によるリスク選好の動きなどから終始円安の展開となり、145円中盤まで堅調に推移しました。ロンドン市場では、「日銀のマイナス金利解除、今月急ぐ必要はほとんどないと認識」との関係筋報道が伝わったことで、日銀による早期の政策修正観測の後退から円売り急拡大、ドル円は1円程度の急騰をみせた後、146円中盤で底堅く推移しました。NY市場では、序盤は円売り一服感からやや押し込まれるも大きな円安の流れは変わらず、米金利の上昇も支えに一時146.58円まで日通し高値を更新、引けにかけては失速気味ながら146円台は維持し、146.16円で取引を終えました。
-日銀による早期の政策修正観測が後退、本日は米CPIに注目-
本日のイベントは、日国内企業物価指数、英雇用統計、独欧ZEW景況感調査、米消費者物価指数(CPI)/30年債入札が予定されているほか、メキシコが祝日休場、米FOMCの1日目となります。
足元では日銀関連のヘッドラインから円主体の値動き、目先は13日(日本時間14日未明)に控える年内最後の米FOMCに注目が集まりますが、本日の米CPIも見逃せません。前回はCPI総合・コア指数共に、前月比と前年比いずれにおいても伸び鈍化で、ディスインフレの結果を受けて米金利の低下からドル売りを誘いました。今回の市場コンセンサスは、前月比では総合は前回から横ばい、コアは若干の伸び加速、前年比では総合が前回から鈍化、コア指数は横ばいとなっています。CPI総合・前年比をみると+3.1%と、今年6月ぶりの低い伸びとなる見込みであり、予想通りでインフレ鈍化の見通しが強まれば、当然にFRBの緩和転換に向けた観測を後押しするでしょう。また、仮に前年比で弱い数字となり予想以上の鈍化となった場合は、市場の前のめりな早期利下げ織込みに拍車がかかる形で、想定よりもドル売りが拡大するシナリオなども準備して取引に臨みたいです。