引き続き日銀関係のヘッドラインには警戒 今週の米CPI・FOMCに注目
-前営業日サマリー-
ドル円は147.10円でオープン。東京市場では円金利の上昇から円買いが入り、一時142.50円付近まで下押しする場面はみられるも、その後は底堅い推移となり一転して144円台まで回復する大きく往ってこいの相場展開となりました。ロンドン市場でも円安基調が継続。米金利上昇を受けて一時144.66円近辺まで上値を伸ばすも、米雇用統計の発表を控えて上値は限定的となり、144.24円まで反落しました。NY市場では米雇用統計の好調な結果を受けて、一時145.19円まで上昇、その後は143.75円まで失速するなど144円半ばを挟んでの荒い上下動を経て、144.99円で取引を終えました。
-引き続き日銀関係のヘッドラインには警戒 今週の米CPI・FOMCに注目 -
本日のイベントは、ノルウェーCPI、トルコ経常収支・失業率などが予定されています。
直近のドル円は7日の植田日銀総裁の「年末から来年にかけて一段とチャレンジングになる」との発言をきっかけに、来週18-19日の日銀政策決定会合でのマイナス金利解除の思惑が浮上して一時141円台中盤まで5円超の円高となりましたが、その後は144円台まで戻しています。日銀のマイナス金利解除を手掛かりとする円高は、新たな材料となる関係者の発言が出てこない限り大きな動意とはならないと考えられますが、引き続き日銀関係者のヘッドラインには警戒したいです。一方、米側では先週、JOLTS求人件数、ADP雇用統計(前月比)、新規失業保険申請件数において概ね労働市場緩和を示唆する結果となりましたが、週末の米雇用統計で非農業部門雇用者数(NFP)・失業率・平均時給がそろって労働市場の力強さを示して、FRBが来年早期に利下げに動くとの期待を萎ませる結果となりました。
今週は米CPIとFOMCが予定されています。雇用統計の結果を受けて、市場の目線はインフレ指標に移ります。今週前半の米CPIは総合CPI・コアCPI共に前年同月比で前月結果と同じと予想されていますが、予想を下振れて物価上昇ペースの一段の鈍化が示されるかが注目されます。また、市場はFOMCの今回会合の据え置きを織り込んでいますが、利上げの打ち止め、2024年の4回超の利下げも織り込むなか、会合後の公表予定のFOMCメンバーの経済見通しにおける利下げ回数やパウエル議長から利下げ時期について言及があるかについても注目したいです。