週末の米経済指標の行方に注目
-前営業日サマリー-
ドル円は149.40円でオープン。東京市場では、序盤にドル買いの動きから149.67円付近まで上昇するも、中国工業利益が予想を大きく下回る弱さを見せたのに加えて、中国シャドーバンキング大手中殖企業集団が投資家に対して約5.4兆円の資金不足を報告したことでリスク回避の円買いが強まり、ドル円は148円後半まで下押しました。ロンドン市場では、米長期金利の下げ一服から149.30円台まで反発を見せるも、調整の域を出ず、再び149円台を割れました。NY市場では、米新築住宅販売件数が想定を下振れする弱い内容となったものの、ドル円相場に対してそこまで動意を与えるものとはならず、148.67円で取引を終えました。
-週末の米経済指標の行方に注目-
本日のイベントは、豪小売売上高、豪ブロックRBA総裁発言、日日銀インフレ率、米S&P/ケース・シラー住宅価格指数、米消費者信頼感指数、米シカゴ連銀総裁発言、米ウォラーFRB理事発言、米ボウマンFRB理事発言、欧ラガルドECB総裁発言、米バーFRB副議長発言が予定されています。
先週公表されたFOMCの議事要旨(10/30~11/1日開催分)では、現在の政策金利をどの程度の期間維持する必要があるかに焦点が当てられ、今後の政策運営については慎重に進むべき状況にあるとの見方が示されました。中身を見ると「インフレは現在でもなお容認できないほど高い」とタカ派な意見は見られたものの、その点、市場ではあまり材料視されることはなく、FF金利先物の動向に基づき算出されるFed Watchでは来年5月の利下げ確率が5割まで織り込まれています。今週末は米国でPCEデフレーターやISM製造業景気指数の公表が予定されており、仮に想定を下振れする弱い内容となれば来年の早期利下げ確率を高めることにもつながるため、指標の強弱には注視しておきたいです。
また、先週24日はブラックフライデーで年末商戦がピークを迎えましたが、全米小売売上業協会の予測では今年11~12月の売上高は前年同期比の伸び率が4-5年ぶりの低さになることが見込まれています。金利と物価高の二重苦が消費の重しとなった格好です。ただ、足元では市場の早期利下げ期待から株式市場に資金流入が続いており、米株価は年初来高値に迫る勢いで上昇しています。そのため、今後、資産効果による消費加速が起こる可能性もあるため、物価・金利の動向に加えて米景気の行方についても情報を追っていく必要がありそうです。