本邦ヘッドラインに注目 午後には植田日銀総裁発言も
-前営業日サマリー-
ドル円は149.84円でオープン。東京市場では、9月の日本貿易収支が想定外の黒字となったことで円買いが優勢となり、ドル円は一時149.67円付近まで下押しました。その後は買い戻しの流れになるものの中東情勢や為替介入への警戒感から150円台に乗せる動きとはなりませんでした。ロンドン市場では、米長期金利が2007年以来の4.97%台をつけ、ドル円も149.90円台まで上昇。ただ、150円の節目価格付近では上値も重たくなり、149円後半での動意に欠ける相場展開となりました。NY市場では、パウエルFRB議長の発言から米長期金利の低下とともに一時149.60円台まで下押しましたが、買い戻されて149.79円で取引を終えました。
-本邦ヘッドラインに注目 午後には植田日銀総裁発言も-
本日のイベントは、米フィラデルフィア連銀総裁発言、NZ貿易収支、米ダラス連銀総裁発言、日全国消費者物価指数、英小売売上高、日植田日銀総裁発言、加小売売上高が予定されています。
次回のFOMCが近づき、明日からブラックアウト期間に入ることで昨日のパウエルFRB議長の発言には市場で多くの注目が集まりましたが、その内容は150円の大台を突破できるものとはならず、ややハト派な印象となりました。直近では好調な米経済指標を受けて米長期金利の上昇が強まっており、パウエルFRB議長はこれに対して「利回りの上昇は利上げの必要性低下を意味し得る」と言及しています。仮にFRBが政策金利を据え置いても米長期金利の上昇が景気引き締め効果となり、インフレの抑制につながるということで、市場では利上げの打ち止め観測が強まる格好となりました。ドル円は発言後に一時149.60円台まで下押ししています。ただ、講演では今までと変わらず、政策運営については今後のデータ次第とするスタンスをとっていたため、残り10日あまり、引き続き米指標の強弱には注視しておく必要がありそうです。
また、本日は本邦で全国消費者物価指数の発表や植田日銀総裁の発言が予定されています。内容次第では円主導でドル円に動意を与える可能性もあるため、本日のヘッドラインにも注目しておきたいです。