150円間近のドル円 FOMCメンバーの発言から動意なるか
-前営業日サマリー-
ドル円は149.41円でオープン。東京市場では、日経平均の下落や米長期金利の上昇幅縮小の影響から149.37円まで下押しする場面は見られるも、それ以上に深堀りする動きとはならずに149.50円を挟んだ落ち着いた値動きとなりました。ロンドン市場では、買い戻しの動きから149.63円付近まで上昇するも、東京時間の流れを変えるほどの動きとはならずに引き続き方向感の欠ける相場展開となりました。NY市場では、米長期金利が上昇を強めたことでドル買い優勢の地合いとなり、日中高値を更新して149.76円付近まで上昇。ただ、勢い続かずに149.51円まで反落して取引を終えました。
-150円間近のドル円 FOMCメンバーの発言から動意なるか-
本日のイベントは、NZ消費者物価指数、豪RBA議事録公表、英失業率、独ZEW景況観調査、米NY連銀総裁発言、加消費者物価指数、米小売売上高、米鉱工業生産、米ボウマンFRB理事発言、リッチモンド連銀総裁発言が予定されています。
米雇用統計に続いて先週末に公表された米CPIの結果も市場予想を上振れする強い結果となったことを受けて市場ではFRBが政策金利を高水準で維持するのではないかと思惑が広がっています。ただ、足元の米長期金利は中東情勢の緊迫化やFOMCメンバーによるハト派な発言から4.70%台で推移しており、一時は4.90%付近まで迫った動きと比べるとドル買いの材料としては弱い状況ともなっており、ドル円はなかなか150円を突破できない相場状況が続いています。
そんな状況下で本日は複数のFOMCメンバーからの発言が予定されています。緊迫化した中東情勢をながめて追加利上げに慎重な発言となれば動きに大きな変化は見られないかもしれません。ただ、ブラックアウト期間入り前の週で米要人による発言に注目が集まる中、仮にタカ派な見解で市場の利上げ観測を助長する発言がみられた場合にはドル円も150円を突破してアップサイドへの動きを強める展開も想定できるため発言の内容には注視して取引に臨みたいです。