FXレポート

米CPI、次回FOMCのヒントを探る

-前営業日サマリー-
 ドル円は148.67円でオープン。東京市場では、時間外の米2年債利回りが上昇したことを受け一時148.94円まで上昇。ロンドン市場では、中東の地政学的リスクを嫌気した米国債の買い、米長期金利の低下を手掛かりにドル円は148.58円まで下落するも、その後米PPIが予想を上振れたことを受け149.05円まで買い戻されました。ニューヨーク市場では、米長期金利の上昇を背景にじり高の展開となり149.31円まで上昇。FOMC議事要旨公表時に一時下振れたものの直後買い戻され、最終的に149.18円で取引を終えました。

-米CPI、次回FOMCのヒントを探る-
 本日のイベントは、英月次国内総生産(GDP)、鉱工業生産、製造業生産指数、ECB理事会議事要旨、米消費者物価指数(CPI)、米30年債入札、ボスティック・アトランタ連銀総裁発言、コリンズ・ボストン連銀総裁発言が予定されています。
 特に注目なのが米消費者物価指数(CPI)。事前の市場予想では総合・コアともに低下、食品とエネルギーを除くコアについては前年比+4.1%と約2年ぶりの低水準となる見込みです。同指標は次回11月1日のFOMCでの利上げ打ち止めとなるかの材料となりうるため注目が集まります。
 前回9月のFOMCではFF金利の誘導目標を5.25-5.50で据え置いた一方で、「年内追加利上げを想定する」といったタカ派的なスタンスが伺えました。しかし、直近では一部のFRB高官より利上げ停止を示唆する内容の発言が伝わっており、Fed Watch(CME Group)を見ても市場予想では90%が次回FOMCでの据え置きを見込んでいる状況となっています。(本稿執筆時点)
 そのためCPIの結果が予想通りであれば利上げ停止の材料と見られ、ドル円の上昇圧力は高まらないと想定されますが、中東の地政学リスクの懸念による原油価格の高騰にも注意したいです。日本は原油輸入の中東依存度が9割を超えており、仮に原油価格の高騰が続いた場合には物価の高騰へと影響し、これが実質賃金の押し下げ要因となることで、円安の圧力が高まると考えられます。
 足元のドル円は148円台前半から149円台前半のレンジでの推移となっていますが、中東情勢に絡むヘッドラインによる急激なボラティリティの高まりも想定しつつ、エントリーのポイントを見極めたいです。

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