ドル地合いの強さ後退のトリガーは
-前営業日サマリー-
ドル円は148.51円でオープン。東京市場では、日本株高を支えに148.92円まで上昇したものの「日銀、物価見通しを上方修正する方向」との報道が伝わり、一時148.50円まで下落しました。ロンドン市場では、東京市場でのドル売りが一巡後、米長期金利の低下幅が縮小したことを受けドル円は底堅く推移し、日通し高値の149.09円を記録。ニューヨーク市場では、FRB高官からハト派的な発言が伝わると米長期利回りが低下。これにつられてドル円は148.56円まで下落。その後は上値が重く、最終的に148.70円で取引を終えました。
-ドル地合いの強さ後退のトリガーは-
本日のイベントは、独消費者物価指数(CPI、改定値)、ボウマンFRB理事発言、米卸売物価指数(PPI)、ウォラーFRB理事発言、ボスティック・アトランタ連銀総裁発言、米10年債入札、FOMC議事要旨、コリンズ・ボストン連銀総裁の発言が予定されています。
昨日ボスティック・アトランタ連銀総裁より「これ以上の利上げは必要ないと考える」とハト派的な発言が伝わると市場はドル売りで反応。本日も複数のFRB高官の発言が予定されており、内容次第では11月1日FOMCの利上げ見送りの思惑が広まり、ドル売りが進行する可能性があります。
また、FRBの資産ポートフォリオ運用を担うロベルト・ペルリ氏は、FRBのバランスシートの縮小(QT)の減速または停止について言及。先行きは不透明としながらも、銀行システムの準備金が"十分な水準をいくらか上回った時点"で行う方針を明らかにしました。仮にQTが減速ないしは停止した場合は、米長期金利の上昇を抑制する一因となり、こちらも米ドルの売り圧力へと繋がると考えられるため、QTの動向についても見ておきたいです。
足元の市場ではFRBの利上げサイクル終了への期待が浮上しており、本日のFRB高官の発言や卸売物価指数(PPI)、FOMC議事要旨への注目度も高いと推測されます。ドル売りのトリガーを探りながら本日も取引に臨みたいです。