為替介入でドル売り、イスラエルが計画、4.5兆円規模
-前営業日サマリー-
ドル円は149.10円でオープン。東京市場では、週末にパレスチナ自治区ガザを実効支配しているハマスがイスラエルを攻撃、イスラエルが戦争状態を宣言したことで為替相場はリスクオフムード、ただ日本が祝日だったためドル円は149.10円から149.20円のレンジ相場となりました。ロンドン市場では、中東の地政学リスクが意識されて欧州通貨が売られ、ユーロ円は157.48円から156.90円へ下落しました。ニューヨーク市場では、ローガン・ダラス連銀総裁のハト派発言が伝わり、またイスラエルが発表した為替介入(ドル売り)計画に絡む思惑が重なりドル安へ、ドル円は149.15円から148.45円へ下落したのち、148.51円で取引を終えました。
-為替介入でドル売り、イスラエルが計画、4.5兆円規模-
本日のイベントは、ゴトー日、ノルウェーCPI(消費者物価指数)、トルコ失業率、ボスティック・アトランタ連銀総裁発言、米3年債入札、ウォラーFRB理事発言、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁発言、IMF世界経済見通しが予定されています。
イスラエルとハマス(パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配している組織)が戦闘中です。週末7日にハマスがイスラエルに向けてロケット弾で攻撃したことを受けて、イスラエルは戦争状態と宣言、この3連休中もヘッドラインが相次ぎました。初動の反応は、中東の地政学リスクが意識される形で、月曜朝は円高・ドル高になりました。
為替相場では、9日にイスラエル中央銀行が発表した為替介入の計画によるインパクトが大きそうです。イスラエル通貨(シュケル)は地政学リスクが嫌気されて金融市場で急落、対ドルでは2016年以来の安値圏です。この先もイスラエル通貨が過度な変動にさらされ続けることを防ぐため、イスラエル中銀は最大300億ドル規模(外貨準備の15%相当、約4.5兆円)で外貨売り(ドル売り)シュケル買いを行う為替介入の計画を公表しました。
日本が2022年に実施した為替介入の規模が、2.8兆円(9月22日)、5.6兆円(10月21日)、0.7兆円(10月24日)だったことと比べると、イスラエルの為替介入は決して小さい規模ではないと考えられます。イスラエル通貨(シュケル)や中東情勢が為替相場に小さくないインパクトを与えることも想定しながら、本日も取引に挑みたいです。