FXレポート

ドル円150円目前、ドル高の原因は?

-前営業日サマリー-
 ドル円は149.03円でオープン。東京市場では、鈴木財務相の口先介入が伝わるも反応は限定的、ドル円は148.94円から149.10円のレンジ相場となりました。ロンドン市場では、連日のドル高トレンドの流れからドル円も続伸、149.20円まで上昇しました。ニューヨーク市場では、マカーシー米下院議長が予算通過に否定的な考えを示したことをきっかけに米国債が大幅安(米金利上昇)、為替市場ではドル高が加速、ドル円は149.70円まで上昇して取引を終えました。

-ドル円150円目前、ドル高の原因は?-
 本日のイベントは、豪小売売上高、独CPI(消費者物価指数)、米GDP(確定値)、米新規失業保険申請件数、グールズビー・シカゴ連銀総裁発言、米住宅販売保留指数、米7年債入札、メキシコ政策金利、パウエルFRB議長発言が予定されています。
 ドル円は150円突破目前です。今週、ドル円上昇をけん引している最大の要因は、米国債が売られている(米金利上昇)ことによるドル高です。
 先週のFOMCでは、政策金利こそ据え置かれましたが、ドットチャートの上方修正(2024年)や、パウエルFRB議長の会見を経て、「将来の利下げ局面が訪れた時に従来見通しよりも利下げしないだろう」「利下げ局面に転換するのは当初見通しよりも遅くなるだろう」といった、コンセンサスに変わってきています。また、米国の会計年度が10月から始まるのに対して、米上下院のねじれ議会を原因とした予算成立の難航、米政府機関閉鎖リスクの現実味も嫌気されているようです。政府閉鎖そのものは米国経済に深刻な影響をもたらすものではないと、一般的に言われていますが、米国債の格下げリスクがあります。
 また需給要因では、今週米国債の入札が連続するスケジュールであること、FRBによる量的引締め(バランスシート縮小)政策で米国債の買い手が減ったこと、一部で観測されている中国による元買い支えの為替介入を実施するための原資確保なども、米国債価格が下がっている(米金利上昇)要因だと考えられます。
 今夜はパウエルFRB議長の発言が予定されていますが、金融政策について何も話さないかもしれません。本日は、急落中の米国債(米金利)の動向、米国議会の予算採決をめぐる動き、政府・日銀の為替介入・レートチェック・口先介入・緊急三者会合など、マーケットが敏感に反応しそうなヘッドラインに注目しつつ、取引に挑みたいです。

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