レートチェックに警戒、為替介入の空砲
-前営業日サマリー-
ドル円は148.86円でオープン。東京市場では、日経平均株価など日本株が売られたことを材料にドル円は148.71円まで円高へ、午後にかけては米長期金利が16年ぶり高水準まで上昇(米国債価格下落)したことが意識されて149円を突破、149.18円まで上昇しました。ロンドン市場では、鈴木財務相から本日2度目の口先介入が伝わり円高へ、ドル円は148.80円へ一時急落しました。ニューヨーク市場では、米長期金利が再び高水準を更新、円の戻り売り・ドル高の流れで、ドル円は149円を再び突破して取引を終えました。
-レートチェックに警戒、為替介入の空砲-
本日のイベントは、日銀金融政策決定会合議事録(YCC修正した7月会合分)、豪州CPI(消費者物価指数)、米耐久財受注、ジョーダンSNB総裁発言、米5年債入札が予定されています。
ドル円は149円台へ円安・ドル高となり、市場では為替介入への警戒感が強まっています。昨日は鈴木財務相が午前と午後にそれぞれ口先介入、午前中の口先介入では反応は限定的でしたが、午後は149円台まで高値を更新していたこともあり、25銭程度の円高になりました。とはいえ、円安けん制効果としては大きいものとは言えず、口先介入の効果が弱まっている可能性が考えられます。
口先介入の次に力のある円安けん制としては「レートチェック」が挙げられます。レートチェックとは、日銀が民間銀行へ為替レートの参照を行う行為であり、公にならない場合もありますが、あえてメディアなどを通して報じることで、円安けん制を狙うこともあります。2022年は9月14日午後13時30分ごろ、日経新聞社を通して報じられ、数時間でドル円が1円近く円高へ、のちの口先介入も重なりこの日の下落幅は1円を超えました。
ただ、レートチェックにしろ、本番の実弾介入にしろ、円安の根本的な原因は日本の金融緩和スタンスであるため、円高の場面ではドル円の押し目買いを狙うプレイヤーが多いかもしれません。さらに足元では、FOMCで再確認されたFRBのタカ派姿勢と、米政府機関閉鎖リスクが意識された米長期金利の上昇(米国債価格下落)が、為替相場ではドル高を後押ししています。為替介入絡みの動向は一時的な円高材料になりますが、円安・ドル高トレンドの根本部分に変化をもたらすものではないため、このトレンドが続くことも想定しながら、本日も取引に挑みたいです。