ドル円年初来高値更新、ファンダメンタルズは?
-前営業日サマリー-
ドル円は147.30円でオープン。東京市場では、日本実質賃金の予想下振れで147.38円まで円安になりましたが、鈴木財務相の口先介入が伝わり146.58円へ急落、その後円が売り戻され147.30円まで反発しました。ロンドン市場では、材料が乏しいなか円安が継続、147.65円まで上昇しました。ニューヨーク市場では、対欧州通貨で売られていたドルが買い戻されドル円の上昇を後押し、ドル円は147.86円まで年初来高値水準にトライしたのち、147.79円で取引を終えました。
-ドル円年初来高値更新、ファンダメンタルズは?-
本日のイベントは、トルコ経常収支、米3年債入札が予定されています。
先週末のドル円は、年初来高値を更新して148円手前まで上昇しました。短期的な要因としては、先週前半の日本株高に絡む外国人投資家の為替ヘッジによる円売りや、原油高に絡むドル高・円安、ISM非製造業指数の上振れが考えられます。長期的な要因としては「FRBの金融引き締め、日銀の金融緩和」が再確認されたことも、ドル円が年初来高値を更新した要因と考えられます。9月FOMC前ブラックアウト期間までのFRB要人発言からは、市場が五分五分程度に織り込んでいる「FRBの追加利上げ」シナリオを完全に否定できる内容のものは伝わってきませんでした。日銀要人の発言も多数確認できましたが、いずれも金融緩和の継続が示される内容でした。また、植田総裁をはじめ日銀要人が重要だと話す「実質賃金」も前年同月比で2.5%減、金融緩和の継続が連想される結果です。
一日に1円2円の円安が何日も続く相場では「投機筋主導の円安」と言えるかもしれませんが、円安が正当化されるファンダメンタルズであるため、ドル円150円突破や昨年高値の151.94円突破は時間の問題かもしれません。