FXレポート

日全国CPI、英小売売上高に注目

-前営業日サマリー-
 ドル円は146.27円でオープン。東京市場では、前日のドル高の流れが継続し序盤に一時146.56円まで上昇、昨年11月ぶりの高値を更新しました。その後は日経平均株価の下落によるリスク回避の動きから上値追いは限定的、146.40円近辺で小幅な値動きに留まるも底堅く推移しました。ロンドン市場では、「今週、中国当局が国有銀行に為替介入の強化を指示」との報道が伝わるなかでドル売りの展開、ドル円は146円を割り込み145円中盤まで下押ししました。NY市場では、序盤は米国指標の結果から米金利・ドル円は上下動、145.62円まで日通し安値を付けました。その後は一転買戻し優勢、米長期金利の上昇に連れて再び146円台に乗せるも、引けにかけては米株安などから円高が急加速し結局は往ってこい、145.82円で取引を終えました。

-日全国CPI、英小売売上高に注目-
 本日のイベントは、日全国消費者物価指数(CPI)、英小売売上高、欧消費者物価指数(HICP・改定値)が予定されており、目立った米国指標はありません。
 日本の全国CPI(前年比)の事前予想は、総合の伸び率は前回値から横ばい、コアが縮小、コアコアが拡大となっています。エネルギーのコストプッシュ要因の落ち着きなどから、コアは鈍化が見込まれていますが、生鮮食品・エネルギーを除いたコアコアはインフレ加速と、依然として物価高の定着を示す内容です。7月の日銀会合での、植田総裁からの度々の「物価上振れのリスク」言及も印象的だったなかで、予想を上回る数字が出た場合は、円買いを誘う可能性はあるでしょう。ただ、足元のドル高圧力は根強く、今週17日未明のFOMC議事要旨にて「インフレ上振れリスクあり、追加引き締めの可能性も」とタカ派的な内容なども考慮すると、ドル円の地合い・方向感の維持は想定されます。したがって、仮に一時的に円高に振れた際は、水準に応じて押し目を拾うトレードも検討できそうです。また、瞬間的なインパクトが乏しかった場合であっても、基調的な物価・インフレ動向が確認されるなか、今後の日銀政策正常化の行方を見定めていく必要はあることから、引き続きデータを確認していきたいです。
 一方、欧州時間の早々には英小売売上高が控えます。足元では、英国の粘着性の高いインフレデータなどを背景にポンド買い優勢の展開、ポンド円は今週だけで3円、先週安値からは実に6円程度の上昇幅をみせています。同指標の事前予想では、全般で前回値を下回る数字が見込まれていますが、仮にさらに弱めの数字が出れば、英経済・景気の先行き懸念にスポットライトがあたりポンド売り、ポンド円は急速な上昇の反動や週末フローなどから大きめの調整が入るシナリオなども考慮しつつ、トレード戦略を練っていきたいです。

知りたい語句を入力して、検索ボタンを押してください

トレイダーズ証券

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第123号 加入協会 日本証券業協会 金融先物取引業協会 第二種金融商品取引業協会 日本投資顧問業協会 トレイダーズ証券は、上場企業トレイダーズホールディングス(スタンダード市場上場8704)の100%子会社です。