米10年債の入札に注目
-前営業日サマリー-
ドル円は142.48円でオープン。東京市場では、本邦賃金統計の下振れや日経平均株価の上昇を受けて一時143.43円まで上昇するも、米長期金利の低下などから一時143円割れの展開になりました。ロンドン市場では、欧州株安とともにリスク警戒のドル買い・円買いが交錯する展開となりドル円は一時143.27円まで上昇した後は143円付近での推移となりました。ニューヨーク市場では、米株が下落幅を縮小し米金利の下振れに連動して上昇、円安の地合いを支えに一時143.49円の日通し高値をつけましたが、その後少し戻して143.36円で取引を終えました。
-米10年債の入札に注目-
本日のイベントは、中消費者物価指数、米10年債入札が予定されています。
米国債の入札が続きます。昨日の3年債入札に続き、本日10年債、明日30年債の入札が予定されています。米国債は今月、格付け会社フィッチが格付けを1ランク引き下げたことが注目されました。加えて、10年債の発行額は380億ドル(前回から30億ドルの増額)、30年債は230億ドル(前回より20億ドルの増額)と、前回よりも大規模な入札が計画されており、国債の発行額増加は、需給悪化・金利上昇に影響する材料です。
今回は格下げと発行額増額後初の入札のため、注目度が高いかもしれません。堅調な需要が確認できれば、債券価格下落・金利上昇が落ち着くとみられる一方で、入札が不調の場合は思わぬ金利上昇を招く可能性もあります。米長期金利上昇は米ドルの上昇要因と考えられることが多いですが、米国債に絡む悪材料をきっかけとした「悪い金利上昇」と捉えられる場合には、ドル売りの動意となる可能性も考えられるため注目です。