関心集まる米雇用統計 相場の方向性は
-前営業日サマリー-
ドル円は143.30円でオープン。東京市場では、午前に143円前半から中盤までのもみ合い相場が続いたものの、日銀が臨時国債買い入れオペを通知して金利上昇を抑える姿勢を示したことが支えとなり午後に入ると約1か月ぶり高値となる143.89円付近まで上値を伸ばしました。ロンドン市場では、リスク回避の円買いが優勢の地合いとなりクロス円の軟調さとともにドル円も142円中盤まで下押しました。NY市場では、想定よりも弱い結果となった米経済指標が相場の重しとなり、ドル安が加速。142円前半まで下押して142.53円で取引を終えました。
-関心集まる米雇用統計 相場の方向性は-
本日のイベントは、豪RBA四半期金融政策報告会、英建設業PMI、加失業率、米雇用統計(非農業部門雇用者数・失業率・平均時給)が予定されています。
9月FOMCまでに予定されている2回の雇用統計。本日はその1回目の発表が控えます。FOMCの政策運営がデータ次第とされていることから相場の方向感を占う上で市場の関心も高まっていることが考えられるので要注目のイベントとなりそうです。今回の市場予想は非農業部門雇用者数:20.0万人(前回:20.9万人)、失業率:3.6%(前回:3.6%)、平均時給[前年同月比]:4.2%(前回:4.4%)と前回値からは下振れする項目が多い想定となっています。足元の米国インフレはサービス価格が影響しており、その中でもとりわけ労働市場の逼迫から派生する賃金が寄与しています。そのため平均時給の結果には注視する必要があります。仮に予想を下振れた場合にはインフレ鈍化の観測から利上げ停止期待も高まりドル売りが強まることとなるかもしれません。また、ADP雇用統計の上振れを受けて米雇用統計の良好な結果への期待が高まる中で同指標の結果が弱いものとなれば期待感裏切りの反動からドル安と反応するシナリオも考えられます。次回FOMCの結果や今後の相場の方向性を見極める上で重要な米指標となるため結果は丁寧に確認していく必要がありそうです。