FXレポート

ジャクソンホール待ちでドル円は方向感出にくい展開か

-前営業日サマリー-
 ドル円は147.80円でオープン。東京市場では、本邦四半期GDPの予想より強い結果を受けて、円が買われる展開となりました。ロンドン市場では、米小売売上高やNY連銀製造業景況指数などの指標がありましたが、反応は限定的でした。NY市場では、買い戻しの流れとなり、147.33円付近まで上昇した後、147.20円で取引を終えました。

-ジャクソンホール待ちでドル円は方向感出にくい展開か-
 本日のイベントは、加住宅着工件数、米NAHB住宅市場指数などが予定されています。
 先週発表された米消費者物価指数(CPI)は、総合CPIは予想を下回った一方、コアCPIの予想上振れにより、インフレ圧力の根強さが確認されました。続いて発表された米生産者物価指数(PPI)は、総合・コアともに予想を上回る結果となり、物価上昇圧力の再燃が意識されました。これらの結果を受け、市場が織り込む年内利下げ回数は3回から2回へと修正され、利下げペース鈍化観測が広がっています(FedWatch:CME)。
 週末に発表された米小売売上高では幅広い分野で増加し、6月分も上方修正されましたが、労働市場の軟化や消費者心理の悪化を背景に、先行きへの慎重姿勢も見られました。米ミシガン大学が発表した消費者マインド指数(速報値)は58.6と4月以来の低下となり、1年インフレ期待は予想を上回ったことで、関税の影響に対する懸念が根強いことも示されています。
 今週は、20日に公表される7月29-30日FOMC議事要旨で、多数派が政策金利据え置きを選択した背景や、利下げに慎重な見解が確認されるか確認したいです。さらに21〜23日に開催されるジャクソンホール会合では、「雇用市場」がテーマになっていることから、パウエルFRB議長が7月雇用統計の大幅下方修正を受けて、利下げに対するスタンスをどう示すかに注目したいです。
 ジャクソンホールまでは、米製造業PMIなどの経済指標は予定されているものの、ドル円は上値・下値ともにいずれも大きく動きづらい状況が続きそうです。ただ、次期FRB議長の人選や、本邦の全国消費者物価指数(CPI)の結果による日銀早期利上げ観測、石破首相の進退に関する報道次第では相場が動意づく可能性もあり、こうした材料も念頭に置きつつ今週も取引に臨みたいです。

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