米PPIに注目
-前営業日サマリー-
ドル円は147.78円でオープン。東京市場では、午前中、日経平均株価が堅調さを維持するなか、リスク選考を意識した円売りが優位となり148.17円付近まで上昇、午後に入るとドル売りが優先となり147円台半ばまで下押ししました。ロンドン市場では、ベッセント米財務長官が日銀植田総裁と話したと明らかにしたうえで、日本がインフレ抑制に取り組む必要があるとの認識を示したことで、一時147.15円付近まで下値を伸ばしました。NY市場では、買い戻しの流れとなり一時147.51円付近まで上昇した後、147.31円で取引を終えました。
-米PPIに注目-
本日のイベントは、豪失業率、英GDP、米新規失業保険申請件数、米生産者物価指数(PPI)などが予定されています。
先日発表された米消費者物価指数(CPI)はコアCPIは前年同月比+3.1%と予想(+3.0%)や前回(+2.9%)を上回り、インフレ圧力の根強さが確認されましたが、総合CPIは前年同月比で前回と同じ+2.7%と予想の(+2.8%)を下回り、インフレ上昇加速への警戒感はいったん和らぐ結果となりました
そして、本日は米生産者物価指数(PPI)の発表が予定されています。市場予想は、前年同月比で総合PPIが+2.5%(前回+2.3%)、コアPPIが+2.9%(前回+2.6%)と、いずれも前回を上回る見通しです。CPIが概ね予想通りの結果となったことから、本日のPPIでインフレ上昇の加速が明示されるかが注目されます。また、PPIの中でも、航空運賃・ポートフォリオ管理料・医療診療費といった一部の項目は、FRBが重視する個人消費支出(PCE)価格指数の算出にも使用されおり、これらの項目は前回は強弱まちまちな内容となっていたことから、本日の発表されるこれらの項目についても一方への方向性が示唆されるかを確認しておきたいです。
本日のPPIが予想を上回った場合には、物価上昇加速への警戒感が再燃し、利下げ期待の後退につながる可能性があります。一方で、予想や前回結果を下回った場合には、インフレ懸念が和らぎ、ドル売りによるダウンサイドリスクが意識される展開も想定されます。上下いずれのシナリオも想定しつつ、本日も取引に臨みたいです。