FXレポート

波乱の金融政策決定会合 日銀はYCC運用を見直し

-前営業日サマリー-
 ドル円は139.38円でオープン。東京市場では、日銀会合を受けて乱高下する相場展開。ドル円は139.20円付近で発表を迎えると瞬間的に140.60円付近まで急騰。ただ、YCC修正を受けてその後は138.06円まで売り戻しと荒っぽい値動きとなりました。139円付近まで値を戻して迎えたロンドン市場では、流れそのままに140円近辺まで上昇するも同水準の心理的節目を前に次第に上値も重たくなり再び139円付近まで軟化しました。NY市場では、米株や日経平均先物の上昇を支えにリスクオンの円売りが出ると141円台を回復。141.17円で取引を終えました。

-波乱の金融政策決定会合 日銀はYCC運用を見直し-
 本日のイベントは、中製造業購買担当者景気指数(PMI)、欧GDP、欧消費者物価指数(HICP)が予定されています。
 日銀は先週の金融政策決定会合にて、YCC長期金利の上限を0.5%を目途としたうえで、市場動向に応じて0.5%を一定程度超えることを容認。これを受けて日本の長期金利(国債10年利回り)は0.573%まで一時上昇し、ドル円も138円付近まで円が買われる格好となりました。
 先週のFOMCやECBでは、それぞれ次回以降の利上げアナウンス明言せずに「データ次第」と、バランスをとった見解を示しました。市場ではタカ派な発言によるけん制を幾分か織り込んでいたこともあり、欧米中銀会合後の相場ではドル売り・ユーロ売りで反応しました。日銀は金融政策会合でYCCに変化を加えたことから、今後は日本と欧米の金利差縮小が意識される形で、円高圧力がかかりやすくなる場面が出てくるかもしれません。この点考慮したうえで相場の方向性をしばらくは見極めていく必要がありそうです。

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