ドル円は高値圏維持、更なる上値トライのカギは
-前営業日サマリー-
ドル円は140.76円でオープン。東京市場では、週末に米債務上限の原則合意や、トルコの大統領選にて現職のエルドアン氏再選などのヘッドラインが伝わる中で、序盤はリスクオンの円売り優勢の展開となりました。ドル円は140.91円まで直近高値を更新するも流れは続かず、その後は一転円高に振れました。ロンドン市場でも、英国休場で材料不足も否めず、概ね東京市場の流れに沿った展開で円高が進行、NY市場に入ると、持ち高調整の売りも散見されドル円は一時140.11円まで下落しました。米国休場につき動意は乏しいものの、引けにかけて円安の地合いでドル円は切り返し、140.44円で取引を終えました。
-ドル円は高値維持、更なる上値トライの可能性は-
本日のイベントは、日失業率/有効求人倍率、豪住宅建設許可件数、スイス四半期GDP、欧経済信頼感、加四半期経常収支、米ケース・シラー住宅価格指数、消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)が予定されています。
足元のマーケットは、引き続き海外投資家による旺盛な日本株買いを背景に、日経平均株価はバブル後の高値更新、3日続伸となりました。この要因としては、本邦国内の一過性のものではないとも指摘されるインフレ傾向や、対して金融緩和を継続する日銀のスタンス、経済回復やインバウンド期待などがあり、今後の上昇可能性も指摘されています。また、米国のデフォルト回避の観測から、米株相場も目先は堅調な展開が見通されおり、リスクセンチメントの改善や株高が続くとすれば、円安圧力からクロス円は底堅さを保っての推移は想定されます。
一方で、米債務上限問題の収束を材料に、ここからドルが積極的に買い進められるシナリオまでは考えにくいため、高値圏ドル円の方向感や上値余地については、依然ブレのある6月FOMCの利上げ見通しに主眼をおいておきたいです。短期金融市場の利上げ確率を示したFed Watch・CMEをみると、0.25%利上げ確率は先週末に一時7割程度まで上昇、現時点では6割弱で据え置き予想と拮抗しています。したがって、明日以降の米指標結果によって、「据え置きor利上げ」どちらかのコンセンサスを織り込む局面ではドルが大きく動く可能性があり、勢いづく追加利上げ観測に傾けばドル円は更なる高値更新も十分考えられそうです。本日でいうと、消費者信頼感指数が控えています。今月ミシガン大消費者信頼感指数と同様、前回からは弱い内容が予想されているため、上振れた場合のインパクトは大きいかもしれません。このほか、ゴトー日で米英休場明けのため各市場で活発な値動きを想定しつつ、取引に臨みたいです。