PCEコア・デフレーターに注目
-前営業日サマリー-
ドル円は139.36円でオープン。東京市場では朝方、格付け会社フィッチ・レーティングスが米国の「AAA」格付けを格下げする可能性に言及すると、リスクオフのドル売りが先行し一時138.83円まで下落するも、その後は米金融引き締め長期化観測を支えにドルの買い戻しが入りました。ロンドン市場では、米1-3月GDPと1-3月コアPCEが上方修正されたほか、米労働市場の堅調さが示され米長期金利の上昇とともに一時139.96円まで上値を伸ばしました。NY市場では、米長期金利の上昇とともにドル買いが継続、4時過ぎに半年ぶりの140円を突破すると一時140.23円まで上昇し、140.02円で取引を終えました。
-PCEコア・デフレーターに注目-
本日のイベントは、日東京消費者物価指数、豪小売売上高、英小売売上高、米個人所得、米PCEデフレーター、米耐久財受注、米ミシガン大消費者態度指数が予定されいます。
本日は主要各国の重要指標が控えており材料豊富ながら、とりわけ米FRBが最も重要視している物価指標のひとつ、PCEコア・デフレーター(食品・エネルギー除く)に注目が集まります。今回の4月PCEコア・デフレーターの市場予想は前年比4.6%と、前回の4.6%と同等の結果が見込まれています。
10日に発表された米4月消費者物価指数(CPI)は、一部市場予想を下回るなど総じてインフレ鈍化が確認されました。それを踏まえれば、同じ物価指標であるPCEコア・デフレーターも予想下振れやインフレ鈍化を示す結果が想定され、その場合昨今強まっている米金融引き締め長期化観測を一服させる要因になりそうです。一方、もしPCEコア・デフレーターが市場予想を上回る結果となったなら、米利上げ継続の可能性が高まることで足元のドル買いトレンドは一層強まり、ドル円は141円を目指す可能性が考えられます。CME Groupが公表しているFedWatch(26日3時時点)によると、昨日の良好な米経済指標を受けて市場では6月FOMCでの0.25%利上げを54%織り込んでいる状況です。15か月ぶりの利上げ据え置きか、それとも0.25%利上げか、6月FOMCは今後の米国経済を左右する大きな分岐点となりそうなだけに、今回のPCEコア・デフレーターはいつも以上に重要な転換ポイントとみて本日の取引に臨みたいです。