FXレポート

ドル円方向感 鍵は債務上限問題と米金融政策の行方

-前営業日サマリー-
 ドル円は138.57円でオープン。東京市場では、前日までのドル高・円安の勢いが主体となりドル円は朝方に年初来高値を更新、一時138.87円まで上値を伸ばしました。ただ、午後に入り経済産業省が「先端半導体の輸出管理規制を7月23日から施行」と発表すると堅調だった日経平均株価が一転下落、株安によるリスク回避から138円中盤まで売り戻しの動きとなりました。ロンドン市場では、債務上限を巡る協議の結果が待たれる中で米長期金利の上昇を支えにドル買い優勢、米ミネアポリス連銀総裁のタカ派な発言も動きを加速させて一時138.90円まで上昇しました。ただ、高値では売り戻しの向きも多く再び138円中盤まで戻されました。NY市場では、米PMIの結果が強弱入り乱れる展開だったことから、大きな動意には繋がらず138円中盤での値動きに終始、そのまま138.57円で取引を終えました。

-ドル円方向感 鍵は債務上限問題と米金融政策の行方-
 本日のイベントは、NZ第1四半期小売売上高、NZ政策金利、NZオア総裁記者会見、英消費者物価指数、英生産者物価指数、英小売物価指数、独IFO景況指数、英ベイリーBOE総裁発言、米イエレン財務長官発言、米ウォラーFRB理事発言、米FOMC議事録が予定されています。
 ドル円は3月以降の上値抵抗線だった138円を突破したことから、テクニカル面では上昇に転じやすい局面といえるも、米債務上限問題と来月FOMCでの利上げ停止可能性が上値を抑えている状況といえます。債務上限に関しては、マッカーシー下院議長が「妥協可能と確信している」と発言しているように前向きな進捗が伺えますが、来月利上げについてはボードメンバー間でも意見が割れており、FF金利先物市場でも一進一退の展開となっています。そのため、米金融政策の行方を占う上でも、今後続く米指標や要人の発言には引き続き注目しておきたいです。本日はイエレン財務長官とウォラーFRB理事の発言が予定されています。仮に米債務上限問題の進展に触れる発言や、来月利上げへのタカ派な見解が見られれば、ドル円も一段と動きを加速させる展開が想定できます。140円の回復には米債務上限と米金融政策の行方がカギとなりそうなことから、これらに関連するヘッドラインには注視して本日も取引に臨みたいです。

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