米債務上限問題 関係者の発言に注目
-前営業日サマリー-
ドル円は、136.09円でオープン。東京市場では、136.0円を挟んだ水準での方向感を欠いた動きとなっていましたが、弱い中国経済指標を受けてリスクオフ傾向となり136円台を維持できない重い動きとなりました。ロンドン市場では、米小売売上高が想定を上振れしたことが好感され一時136.19円まで上昇しました。ニューヨーク市場では、米鉱工業生産やNAHB住宅市場指数の予想上振れを受けてドル買いが活発化、5月2日以来の136.68円まで上値を伸ばしたものの、米金利上昇が一服するとやや戻して136.36円で取引を終えました。
-米債務上限問題 関係者の発言に注目-
本日のイベントは、第一四半期GDP、豪第一四半期賃金コスト指数、英ベイリーBOE総裁の発言、米住宅着工件数議が予定されています。
昨日の米小売売上高の結果を経て市場の関心は米債務上限協議の行方に集まっています。
G7広島サミット参加のための出発直前の16日15時(日本時間17日の4時)にバイデン大統領とマッカーシー下院議長(共和党)などの議会指導部との3回目の協議が開催されました。
今回も合意に至らなかったことを受けて、デッドラインの6月1日までに合意に達せずに一部支払い不履行となる懸念が高まりました。
2011年の債務上限問題の際には、最終期限とされた8月2日の寸前で合意に達しましたが、金融市場では最終期限の10日前頃よりリスク回避の動きが顕著となり、為替市場ではドル安が進んだことから、今回も同様にドル安が進む可能性が考えられます。
一方で今回の協議を終えて、マッカーシー下院議長は「今週末までに合意に達する可能性はまだある」とも述べていることもあり、目先では一方的なドル安進行とはならないかもしれません。
期限までの合意について新たな厳しい発言が出てくるとドル安への材料と捉えられることが考えられるため、ヘッドラインとして出てくる関係者のコメントに注視して本日も取引に臨みたいです。