米国高まるデフォルト(債務不履行)懸念
-前営業日サマリー-
ドル円は134.46円でオープン。東京市場では前日終値の134.55円から大きく下窓を開けて始まったものの日経平均が1年半ぶりの高値圏まで上昇したことからリスク選好の円売りが進み、午後には134円後半まで上値を広げました。ロンドン市場ではドル買いと円買いの動きが交錯、一連の米物価統計や英金融政策発表を通過して次の焦点となっている米債務上限問題については協議が来週早々へと延期されたことから方向感を見出しにくい展開が続きドル円は134円中盤から135円付近のレンジ相場となりました。ただ、続くNY市場においては米ミシガン大学が発表した消費者の期待インフレ率が想定を上振れたことで米金利の上昇とともにドル買い優勢に、ドル円は135円後半まで上昇するとそのまま135.70円で本日の取引を終えました。
-米国高まるデフォルト(債務不履行)懸念-
本日のイベントは、日国内企業物価指数、欧鉱工業生産、カナダ住宅着工件数、米ニューヨーク連銀製造業景気指数が予定されています。
米政府の債務上限引き上げをめぐってバイデン大統領と野党(共和党)の協議が難航しており、来月1日にも協議がまとまらなければ米国史上初の債務不履行(デフォルト)になる可能性が高まってきました。先週9日にバイデン大統領とマッカーシー下院議長らが協議した結果は平行線、12日にも再協議を行うことで合意していたもののそれも延期となり次の協議は今週に持ち越しとなっています。イエレン財務長官は債務上限を引き上げなければ経済と金融の両面で「破滅的な結果」になると警告を出しているように難航が続けば米国債のデフォルト懸念から金融市場の不安拡大による株安・ドル安が急速に進むことが想定できます。
2011年のオバマ政権の際も同様の問題が起こり、この時は最終期限とされていた8月2日の寸前でかろうじて合意に達したもののデフォルトが迫る中で金融市場では最終期限の10日前後からリスク回避の動きが本格化、株式市場の下落とともに為替市場でもドル安が進みました。仮に今週の協議も難航すれば米長期金利の低下とともにドルの信認が低下し、ドル売りが強まることも考えられるため債務上限に関連するヘッドラインには注視して取引に臨む必要がありそうです。