FXレポート

日銀金融政策決定会合、観測報道に注目、金融政策の点検/検証など

-前営業日サマリー-
 先週末のドル円は134.23円でオープン。東京市場では、日本の消費者物価指数(全国CPI)にてコアコアCPI(除く鮮生エネ)が予想上振れしたことで円買い優勢ムードへ、ドル円は133.80円へ下落しました。ロンドン市場では、欧州各国のPMIにて製造業PMIの予想下振れ、サービス業PMIの予想上振れ傾向が続きユーロ高優勢の相場へ、ユーロ円は146.50円から147.00円へ一時上昇しました。ニューヨーク市場では、米製造業PMIが予想に反して節目の50を上振れへ、ドル円は133.56円から134.49円へ急騰した後、134.13円で取引を終えました。

-日銀金融政策決定会合、観測報道に注目、金融政策の点検/検証など-
 本日のイベントは、ドイツIFO企業景況感指数が予定されており、今週末には日銀金融政策決定会合が予定されています。
 今週は、27-28日に開催される日銀金融政策決定会合がメインイベントとなる一週間になると考えられます。今回の会合から植田日銀総裁率いる新体制がスタートします。植田日銀総裁は今月10日の就任記者会見にて「政府との共同声明は直ちに見直すことはない」「現行のYCC継続が適当」「マイナス金利政策の継続が適当」などといった考えを示しています。このような発言を受けて、市場では「今月の会合では金融緩和継続だろう」といった予想が大勢となっています。4月21日(金)までの各社観測報道でも、関係者の話として「金融緩和の継続維持の見通し」「4月会合でのYCC修正に日銀で慎重意見広がる」と、複数のメディアから伝わっています。一方で一部報道では、今年1月の展望レポートで示された物価見通しについて、2023年度を2%程度まで上方修正するだろうといった内容も伝わっています。
 今回の会合では「金融政策の点検/検証」を今後の会合で実施する旨のアナウンスの有無についても注目を集めるかもしれません。植田日銀総裁も就任会見にて「総合的に判断して(金融緩和の)点検や検証はあってもいい」と発言しています。最近では、2016年7月に「マイナス金利付き量的・質的金融緩和の総括的な検証を行う」とアナウンスされた次会合(2016年9月)にて、YCC(イールドカーブコントロール)が導入され、2020年12月に「より効果的で持続的な金融緩和実施のための点検を行い、翌年3月会合をめどに結果を公表する」とした後の2021年3月会合にて、YCC長期金利目標の引き上げ・明確化と、連続指値オペ制度導入を決定しました。「金融政策の点検/検証」を実施する旨のアナウンスがある場合、例えば今年6月会合などにて「近い将来に金融政策が修正するかもしれない」といった期待感が市場参加者の間で広がることも考えられます。
 週末には、産経新聞より「金融政策の点検/検証を実施方向で調整」と報じられました。日銀会合に絡むヘッドラインに敏感なマーケットを想定しながら、今週も取引に挑みたいです。

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