ブラックアウトを控えたFOMCメンバーの発言に注目
-前営業日サマリー-
ドル円は134.08円でオープン。東京市場では、ドル円は序盤落ち着いた動きを見せていたものの、東京仲値付近からドル買い優勢の地合いとなり134円台中盤まで上昇しました。ロンドン市場でも序盤は東京市場の流れを受けて続伸、18時過ぎに一瞬135円を突破するも、そこからは利益確定売り注文等が優勢となり目立った反発もなく、134.4円近辺まで下押しとなりました。NY市場では、金利が上昇幅を広げた場面では134.85円まで上昇するも、134.75円を挟んだ小幅な動きとなり134.66円で取引を終えました。
-ブラックアウトを控えたFOMCメンバーの発言に注目です-
本日のイベントは、米ウイリアムズNY連銀総裁の発言、欧ECB議事要旨公表、米新規失業保険件数、米ウォーラーFRB理事の発言、米ボウマンFRB理事の発言が予定されています。
本日は今週土曜日からのブラックアウト期間入りを控えた複数のFOMCメンバーの発言に注目が集まります。ブラックアウトとは、FOMC(連邦公開市場委員会)が開催される前々週の土曜日からFOMC終了時まで、FOMCメンバーが金融政策に関する発言を禁じたルールであり、今週土曜日から関係者の金融政策に関する発言は出てこなくなります。
これまでのFOMCメンバー発言から次回会合での0.25%利上げは既定路線と考えられ、市場多数の予測と一致しています。今晩時点のFedWatch(FF金利先物から米国の利上げ時期の確立を割り出した指標)では次回0.25%利上げ予測は83.4%となっています。
しかし、ウォラーFRB理事の「市場予想よりも長く引締めを維持する必要」「最近のデータは、FRBがインフレ目標についてあまり進展していないことを示しており、さらなる利上げが必要」や、ボスティック米アトランタ連銀総裁 「基本的な見方は、次の利上げ後に金利を据え置くこと」 「利上げが終了すれば、FRBはかなりの期間、金利水準を維持すると予想」という次回FOMCでの利上げ後の年内金利据え置きを示唆しているのに対して、市場は秋口からの利下げや年内複数回利下げを予測しており、利上げの回数や利下げ時期についてはFRBと市場の思惑には隔たりがあるといえます。
本日の要人発言でこの隔たり埋めるハト派の発言があるかが注目です。年内利下げの可能性を許容するハト派の発言があればドル売りの動意となります。一方、次回利上げ後の当面の金利据え置きといったこれまでの関係者の発言を追随する内容であれば市場の目線は来週後半の米四半期GDP・PCEへと移り、ドル円は大きな方向感の出ない状況が続くことになりそうです。