NY連銀製造業景気指数、予想外の伸び
-前営業日サマリー-
ドル円は133.75円でオープン。東京市場では、本邦実需勢をはじめとしたドル買いが入り一時134.22円まで上昇するも、後半には対欧州通貨を中心にドル売りが強まり、134円を挟んだレンジ相場となりました。ロンドン市場では、米NY連銀製造業景気指数が予想を大幅に上回り、米長期金利が上昇すると一時134.57円をつけ、約1ヵ月ぶりの高値を更新しました。NY市場では、米長期金利の上昇が一服すると、再び狭いレンジ相場となり134.45円で取引を終えました。
-NY連銀製造業景気指数、予想外の伸び-
本日のイベントは、豪RBA議事録公表、中第1四半期GDP、中小売売上高、英失業率、米住宅着工件数、米建設許可件数、米ボウマンFRB理事発言、植田日銀総裁の国会答弁、米主要企業の決済発表(バンク・オブ・アメリカ、ゴールドマン・サックス、ネットフリックス等)が予定されています。
昨日発表されたNY連銀製造業景気指数は10.8と、予想の-18.1を大きく上回り昨年11月以来のプラスに転じました。新規受注の指数が過去最大の46.8ポイント上昇となるなど需要が急回復を見せたほか、仕入れ価格指数の低下で仕入コストのインフレ緩和が示唆され、米景気の悪化懸念が和らぐ結果となりました。仮に今週発表の米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や米PMIで、同様に米景気後退懸念を低下させる内容が確認されれば、インフレ抑制に急ぐFRBがより一層タカ派姿勢を強める可能性が浮上するとともに、市場が織り込む年内の利下げ開始観測が後退し、一時的なドルの買い材料となるかもしれません。
また警戒されていたチャールズ・シュワブの決算は、顧客の預金額が3月末時点で3257億ドルと昨年末から約11%減少したものの、予想の範囲内に収まる結果となりました。シリコンバレー銀行と同じように、コロナ禍で期間が長く低利回りの債券を大量に積み上げ、巨額の含み損を抱えている同社は今回の決算をなんとか乗り切った形となりましたが、米中堅銀行ステートストリートの予想外の資金流出発覚など、今後の米銀決算やインフレ動向によっては米銀からのさらなる資金流出も考えられます。金融不安懸念の高まりを見極めるためにも引き続き米銀の決算結果に注目です。