FXレポート

米CPIは予想下振れも米利上げ継続可能性は高いか

-前営業日サマリー-
 ドル円は133.65円でオープン。東京市場では日経平均株価が堅調な動きとなったことを支えとしながら一時134円台に乗せて3月15日ぶりの高値水準まで上値を伸ばしたものの、米消費者物価指数(CPI)の発表を控えて方向感の見出しにいくい推移が続きました。ロンドン市場では序盤133円台後半でのレンジ相場が続くも、米CPIの結果が想定を下振れしたことが伝わると米長期金利の急低下とともにドル円も前日安値132.97円を下抜け、132.72円まで急速に値を下げました。しかし、NY市場では売りが一服し133円前半まで反発、FOMC議事要旨も大きな動意とはならず、そのまま133.15円で取引を終えました。

-米CPIは予想下振れも米利上げ継続可能性は高いか-
 本日のイベントは、豪失業率、英GDP、米新規失業保険申請件数、米生産者物価指数(PPI)、カナダマックレムBOC総裁発言が予定されています。
 次回5月のFOMCを見極める上で注目されていた米CPI(前年比)は結果:+5.0%(前回値:+6.0%)、コアCPI(前年比)は結果:+5.6%(前回値:+5.5%)となりました。コア指数は依然として鈍化傾向までは見られないものの、総合指数ではエネルギー価格の低下が大きく寄与したことから9か月連続の鈍化でディスインフレを示唆する結果となりました。これを受けてドル円は米長期金利の急低下とともにドル売りを加速させ約1円程度の急落、一時132.72円まで下押しました。ただ、Fed Watch・CME(FF金利先物の動向に基づき算出するFF金利誘導目標の変更確率)では、5月FOMCでの早期利上げ停止確率は3割程度となっており、依然として0.25%の利上げが市場では優勢となっています。今回の結果からはサービスセクターの根強いインフレも確認されたことから、今後の経済指標次第な部分はありますが、少なくともあと1回の利上げ実施可能性は高いといえそうです。
 そして、本日は米生産者物価指数(PPI)の結果が控えます。前年同月比では+3.0%と前回値+4.6%から鈍化の予想ながら、前月比では0.0%と前回値の-0.1%からインフレ進行の見通しです。仮に市場予想を上振れするような結果となった場合にはFRBによる利上げ継続が続くとの思惑からドル高に反応することが想定され、さらに前日の下落が大きかっただけに米PPI上振れによるインパクトも大きくなる可能性があります。リスク管理をしつつ引き続き指標結果を注視していきたいです。

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