FXレポート

植田日銀総裁は現行スタンスを維持

-前営業日サマリー-
 ドル円は131.95円でオープン。東京市場では序盤に調整の流れから窓を開けながら131.80円まで下押しする場面は見られるも、その後は日経平均の底堅い推移とゴトー日によるドル買いが支えとなり一転して132.80円付近まで上値を伸ばしました。ロンドン市場でも序盤は132.00円付近まで下押しする流れとなるも植田日銀総裁の就任会見から早期の政策変更期待が後退し、ドル買い・円売りが強まったことから4月3日の高値を更新して133.86円までの上昇となりました。ただ、同時に上値の重たさを確認したことで続くNY市場では上昇が一服、米長期金利の上げ幅を縮小しながらドル円も133円中盤まで値を落とすと、そのまま133.58円で取引を終えました。

-植田日銀総裁は現行スタンスを維持-
 本日のイベントは、豪ウエストバック消費者信頼感指数、中消費者物価指数(CPI)、中生産者物価指数(PPI)、欧小売売上高、米シカゴ連銀総裁発言、米フィラデルフィア連銀総裁発言が予定されています。
 新総裁となった植田氏の就任記者会見は当初想定されていた通り、前黒田日銀総裁のスタンスを引き継ぐ旨の発言が見られました。植田日銀総裁は「総合的に判断し、点検や検証はあってもいい」と述べた一方で、金融緩和の継続姿勢を改めて示すのと同時に市場の一部で注目されていたYCCをめぐる憶測については「現行のYCC継続が適当」との見解を残しました。足元のドル円はこれを受けて早期の政策変更期待が後退したことによる円売りが優勢となり直近の抵抗帯として意識されていた133.80円付近のラインを一時突破する動きを見せました。同価格帯は売り戻しが入りやすい水準ではあるものの、明確に上に抜けした場合にはストップ決済を巻き込みながら上昇を加速させやすくもあるため同価格帯をめぐる結末が定まるまでは目が離せなそうです。
 そして、本日は米国で注目度の高い経済指標はないもののFOMCメンバーによる発言が予定されています。これまでに確認されたメンバーによる発言はいずれも利上げ継続の必要性を説くものが目立ちドル円上昇の支えとなりましたが、直近の米経済指標を受けてスタンスの変わった発言が見られれば円キャリーの巻き戻しが起こることも考えられます。一方でこれまで通りタカ派を堅持してくる場合には日米金融政策の方向性の違いに着目した円売り・ドル買いが強まりドル円も上昇を加速させることが想定できるため、トレンドの方向感を見極める上でも本日はFOMCメンバーの発言に関連したヘッドラインには注視していきたいです。

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