低調な米経済指標 利上げ停止もあり得るか
-前営業日サマリー-
ドル円は132.41円でオープン。東京市場では前日の米ISM製造業景気指数の弱さを受けてドル売りが進んだ反動でドルの買い戻しが進行、NY原油が堅調に推移したことや米インフレの期待も高まったことで東京午後に入ってもドル高基調が継続し、132.98円まで上値を伸ばしました。ロンドン市場では序盤に132.50円付近まで下押しする場面は見られるも、米長期金利や欧米株の堅調な推移を支えとしながらリスクオンの様相となり、133.16円まで再び上昇を強めました。NY市場では米JOLTS求人の結果が想定を下振れしたことを受けて、一転ドル安の流れから132円の節目を割れて131.71円で取引を終えました。
-低調な米経済指標 利上げ停止もあり得るか-
本日のイベントは、RBNZ政策金利、豪ロウRBA総裁発言、米ADP全米雇用報告、米ISM非製造業景況指数が予定されており、香港と中国が休場となります。
3日の米ISM製造業景況指数に続いて、昨日4日に発表されたJOLTS求人の結果も想定を下振れするものとなり、2日連続でNY市場にドル売り圧力が高まりました。足元のドル円は132円の節目を割れて再びダウンサイドへの動きを強めており、先週24日から続いていた上昇トレンドも一旦崩れたといえます。同指標らの結果を振り返ると米ISM製造業景況指数は予想47.5に対して結果が46.3とリセッション懸念の高まりを呼び、JOLTS求人は予想10,400千件に対して結果が99,31千件といずれも予想を大きく下振れしました。これらを受けて次回以降のFOMCでの利上げ見通しはFedWatch(FF金利先物から米国の利上げ時期の確率を割り出した指標)で0.25%利上げの確率が4割程度まで低下し、利上げ停止の観測が高まってきています。今後に続く指標内容で弱い結果が続く場合は早期の利上げ停止も現実味を帯びてくる可能性があるため米指標の結果から実体経済の温度感について見極めていきたいです。
そんな中、本日は米ISM非製造業景況指数の発表が予定されています。予想は54.5と前回値の55.1を下回ることが見込まれていますが、判断基準の50.0を上回ることが想定されています。製造業況が予想下振れとなったのに次いで非製造業況が予想を下振れするものとなり、仮に景気後退ラインの50.0を下回るようなことがあればドル売りの動きに拍車がかかる展開となることが考えられます。本日も大きな値動きになることを考慮したうえで指標結果を丁寧に確認していきたいです。