FXレポート

欧消費者物価指数、ユーロドルは買いバイアスが強まる可能性

-前営業日サマリー-
 ドル円は132.69円でオープン。東京市場では、前日の大幅上昇の反動から売りが先行するも、仲値通過後は買い意欲も強まり132円台ミドルで底堅く推移しました。ロンドン市場では、序盤に132.20円付近まで下押し、その後は欧米株価指数の堅調な動きもあり、上下しながらも円売りに支えられ133円手前まで上昇しました。ただ、上値の重さは確認される中で迎えたNY市場では、米株の失速や米長期金利の低下などから売りが入り再び132円台序盤まで下落、引けにかけてはやや反発し、132.67円で取引を終えました。

-欧消費者物価指数、ユーロドルは買いバイアスを強めるか-
 本日のイベントは、日東京都区部消費者物価指数(CPI)、中PMI、英四半期GDP(確報値)、独失業率、欧消費者物価指数(HICP)・ラガルドECB総裁発言、加GDP、米PCEデフレーター・NY連銀総裁発言が予定されています。
 今月16日の欧ECB理事会では、金融不安の渦中ながらもインフレ対応が最優先に掲げられ、0.50%の大幅利上げが決定されました。ラガルド総裁は「今後はデータ次第」としていますが、直近の利上げ幅やメンバーの発言スタンス等を踏まえると、主要国の中でもタカ派傾向であると評価でき、今後の政策決定の行方に注目したです。このような背景の中で、本日は欧消費者物価指数の発表が控えます。現時点の市場コンセンサスでは、HICP(前年比)が7.1%、HICPコア(前年比)が5.7%で、HICPは前回8.5%から大きく鈍化の予想となっています。また、昨日発表されたEUの屋台骨・ドイツの消費者物価指数は、前月比、前年比共に予想を上振れ、その後ユーロ買いが先行しました。この点、本日の欧消費者物価指数でも上振れ余地はあり、その場合には更なる利上げ期待からユーロ買いを誘うと考えれらます。また一方で、市場では米利上げ終了や年内利下げまでも織り込む動きを見せており、ドルを買い進めにくい局面です。これはFRBからすれば不本意ながらも、本日の欧消費者物価指数を含めたデータから、マーケットにおけるユーロ買い・ドル売りバイアスが強まる可能性は否定できません。仮に予想上振れなら米欧の金融政策の方向性の違いからユーロ主導でドル安進行、ユーロドルは上値追いを一段加速させるシナリオも想定しておきたいです。このほか、本日は材料豊富な月末・四半期末、金融不安も残る中で難しい値動きとなる可能性も、とりわけ欧州時間からの活発な相場展開に期待したいです。

知りたい語句を入力して、検索ボタンを押してください

SNS

line icon

APP

トレイダーズ証券

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第123号 加入協会 日本証券業協会 金融先物取引業協会 第二種金融商品取引業協会 日本投資顧問業協会 トレイダーズ証券は、上場企業トレイダーズホールディングス(スタンダード市場上場8704)の100%子会社です。