FOMCの注目ポイントを整理
-前営業日サマリー-
ドル円は131.18円でオープン。東京市場は本邦祝日休場ながら、「米国は危機が拡大した場合、すべての銀行預金を保証する方法を検討」との一部報道を受けて円売り、ドル円は131円台中盤まで上昇しました。ただ、引き続きシステミックリスクへの警戒感も根強い中で円高に振れると、131.03円まで下値を広げました。ロンドン市場では一転してリスクオンの展開へ、欧州株高や債券安とともにユーロ買い主導で円安・ドル安が加速、ドル円は132円を回復、ユーロドルが大きく上昇しました。NY市場でも、米株が底堅く推移し流れ継続、米金利の上昇も支えにドル円は132.62円まで日通し高値を更新し、132.50円で取引を終えました。
-FOMCの注目ポイントを整理-
本日のイベントは、英消費者物価指数(CPI)、南ア消費者物価指数(CPI)、欧ラガルドECB総裁発言、米FOMC政策金利・パウエルFRB議長会見が予定されています。
今月に入り、シリコンバレー銀行(SVB)の破綻を皮切りにシステミックリスク懸念や警戒感がマーケットを覆っています。これにより、3月FOMCでのコンセンサスも変動、利上げ休止やQT修正(BS縮小ペース調整)などの見方も台頭するなど波乱をみせました。そういった状況下で、いよいよFOMCを迎えます。一連の金融システム・信用不安の背景にある利上げに関して、「FRBがどのような判断・見通しを示すのか」市場の関心は非常に高いといえます。目先のドル強弱や為替相場の流れを左右する重要局面とみて臨みたいです。
本日FOMCにおける政策金利予想は、0.25%利上げがほぼ織り込まれています(FedWatch・CME)。ただ、インフレ抑制のための追加利上げと金融危機への対応等を天秤に、FRBが難しい選択を迫られていると想像されます。後者を優先する形で仮に政策金利据え置きとなれば、ドル売りで反応する可能性はありそうです。また今回は四半期毎の「ドットチャート」も公表予定となります。市場では現時点で年内3回の利下げとやや前のめりに織り込みが進む中で、ボードメンバーが示す金利見通しも確認したいです。このほか、声明やパウエル議長会見に関しては、金融システム不安払しょくに向けた内容・発言が出る可能性もあります。文言次第ではドル高・円安に振れるシナリオも考えられ、上下に大きめの値動きは想定しておくべきでしょう。重要局面と同時に難局と捉え、前後はポジションサイズを抑えつつ相場についていく戦略でも良さそうです。